1997 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合性タンパク質HMGH1およびHMG2の機能とその作用機序の解明
Project/Area Number |
09680601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40206280)
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Keywords | DNA結合タンパク質 / HMGタンパク質 / 転写促進 / DNA-タンパク質相互作用 / DNA結合ドメイン構造 / 表面プラズモン共鳴 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
1、HMG1による転写促進機構の解析:HMG1高発現細胞内でのレポータープラスミド由来のミニクロモソームの構造をHMG2高発現細胞中のそれと比較したところ、ヌクレオソームのH1ヒストンの量が減少しH1ヒストンの量が増加、併せて構造が弛緩していることが明らかとなった。 2、細胞核内でHMG1と相互作用する因子の精製:培養細胞にHMG1、HMG2発現プラスミドを導入し、一定時間後、細胞核抽出液を調製し、抗HMG抗体をもちいた免疫沈降させた。ここで得られたタンパク質を二次元電気泳動法で解析した。その結果、HMG1、HMG2とそれぞれ特異的に結合して存在する複数種のタンパク質を同定できた。現在、抗HMG1、抗HMG2抗体をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーにより、これら因子の精製とクローン化を進めている。 3、部位特異的変異を導入したHMG1のDNA結合機構の解析:HMG1内の単独のDNA結合領域、さらに2つのDNA結合領域が立体構造保持およびDNAとの結合に関与すると期待されるアミノ酸残基について各種部位特異的変異体を作製、高発現、精製した。これらとDNAとの結合を表面プラズモン共鳴(SPR)センサをもちいて定量的に測定、立体構造保持とDNAとの結合の機構を解析し、多くの知見を得た。 4、HMG1のDNA結合ドメインのDNA認識機構の解析:HMG1タンパク質のDNA結合に主役的に働くBoxBの中で、DNAへのインターカレーションが予測される101F、102Fの結合における重要性を実験的に明らかにした。さらに分子動力学シミュレーションにより、これらの側鎖の配位と結合との関連を解析した。その結果、BoxBのDNAへの結合が102F側鎖のDNAへのインターカレーションにより高められること、この側鎖の方向性を101Fが規定していることが明らかとなった。 5、ラットHMG2のcDNAおよび遺伝子のクローニング:ラットHMG2のcDNAおよび遺伝子をクローンニングした。ラット繊維芽細胞をもちいた細胞増殖、細胞周期におけるHMG2の機能解析を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sobajima,J. et al.: "Novel autoantigens of pANCA in ulcerative colitis : non-histone chromosomal proteins,HMG1 and HMG2" Clin.Exp.Immunol.107. 135-140 (1997)
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[Publications] Shirakawa,H. et al.: "Nuclear accumulation of HMG2 protein is mediated by basic sequence interspaced with a long DNA-binding sequence, and----" Biochemistry. 36. 5992-5999 (1997)
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[Publications] Yamamoto,A. et al.: "Diffrence in affinity for DNA between HMG proteins 1 and 2 determined by surface plasmon resonance measurements" J.Biochem.122. 586-594 (1997)
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[Publications] Yoshioka,K. et al.: "Two-step binding of HMG2 protein with DNA revealed by real-time binding measurements" Biochem.Biophys.Acta. (in press). (1998)
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[Publications] Nakamura,Y. et al.: "HMG1/2 box B flanked by a short basic region in HMG2 protein is a major mediator of DNA structural alteration" Biochemistry. (in press). (1998)