1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680604
|
Research Institution | SASAKI INSTITUTE |
Principal Investigator |
大倉 隆司 佐々木研究所, 生化学部, 主任研究員 (50183223)
|
Keywords | 糖タンパク質糖鎖不全症 / ドリコール中間体 / マンノース / GPI-アンカー |
Research Abstract |
CDGS-I型の線維芽細胞において最も明確に現われる異常はLipid-linked ohgosaccharide(LLO)のサイズ変化であるが、これは培養条件、特にFCS中の糖タンパク質および遊離マンノースにより変動し易いことが最近明らかになってきた。また、Freezeらはマンノースの添加によりCDGS細胞のLLOのサイズが正常化することも報告していることから、培養線維芽細胞をグルコース及びマンノースを含まない培地中で代謝標識し、その時、LLOを正常化させるのに必要なマンノース濃度を解析した。その結果、健常者細胞ではLLOを50%正常化させるマンノース濃度はいずれも約7μMであるのに対し、患者細胞では28,49,42μMであった。従って、CDGS-Iではマンノース代謝が異常であることを示し、フォスフォマンノムターゼ活性が減少していることと一致する。またタンパク質画分の分析からGlC_3・Man_5・GN_2経路でもペプチドへの転移が起こっているいることを示した。 一方、CDGS-I型ではDol-P-Man合成が減少するため、不完全なLLO合成が起こっていたが、Dol-P-ManはLLO合成のみでなく、GPI-アンカー前駆体のマンノース供与体でもあり、CDGS-IにおいてGPエアンカータンパク質合成にも異常が生じている可能性がある。そこで[^3H]-マンノースで代謝標識後GPIアンカー前駆体を抽出し、亜硝酸分解後Mono Q、あるいはBio-Gel P-4クロマトグラフィー、フォスフォジエステラーゼ、フォスファターゼ、α-マンノシダーゼ処理により構造を解析した結果、健常者細胞では完成した構造であったが、CDGS細胞では未完成な構造がほとんどであり、CDGS-IではGPI-アンカー生合成にも異常が生じていることが明らかになった。GPI-アンカータンパク質にはN-CAM,P_0など形態形成に重要なタンパク質も多く、これらの異常がCDGS-I型の小脳形成や神経障害の原因であるかも知れない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yamashita,K.et al.: "VIP36の糖鎖認識と細胞内輸送における役割" 蛋白質核酸酵素. 43. 2455-2463 (1998)
-
[Publications] Hara-Kuge, et al.: "Vesicular-integral membrane protein, VIP36, recognizes high-mannose type glycans containing α1→2 mannosyl residues in MDCK cells" Glycobiology. in press.
-
[Publications] Tamashita,K.et al.: "Intracellular lectins associated with N-linked glycoprotein traffic" Biochem.Biochim.Acta. in press.