2000 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の局在化機構に新たな視点を与える糊代を持ったタンパク質(その由来と生理機能の解明)
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09680615
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
鈴木 陽子 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教務職員 (30179270)
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Keywords | タンパク質の糊付け / セメントイン / トラッピン / プロテアーゼインヒビター / トランスグルタミナーゼ / 融合タンパク質 / ゴブレット細胞 / 分子進化 |
Research Abstract |
私たちの研究室で8年前に見つけ,世界的注目を浴びるようになった糊代を持ったタンパク質(トラッピン)に関する基礎と応用研究を続け以下のような成果を得た。(1)気管及び大腸における発現細胞の同定:エラフィン(Trappin-2)が気管と大腸に多く存在することを見出していたが,本年度はその局在部位を抗体を用いる免疫組織染色とmRNAを捕まえるインサイチュハイブリダイゼーションにより詳細に検討し,気管・大腸ともに上皮のゴブレット細胞で合成され粘液とともに外に分泌されることを明らかにした。外界からの微生物の侵入を効果的に防ぐ役割を果たしているものと推定される。(2)Trappinの先祖遺伝子の同定:これまでの分子進化学的研究を発展させ,モルモットの精嚢で発現している遺伝子の解析から,Trappinの接着領域(糊代部分,セメントインとも呼ぶ)とプロテアーゼ・インヒビター領域がどの遺伝子に由来するかという興味深い問題に,より確からしい答えを与えることができた。候補遺伝子のイントロン・エクソン構造を詳細に比較することにより,私たちが提唱したTrappin分子の起源と分子進化の道のりを証明すべく努力中である。
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