1997 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド代謝膜酵素の新しい反応機構とその生理学的意義の解析
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09680623
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
小南 思郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (10106776)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 岳 広島大学, 総合科学部, 助手 (30192397)
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| Keywords | P45011β / P45017α / 連続反応 / 人工膜リポソーム / 反応迅速停止法 / アルドステロン / P450scc |
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| Research Abstract |
高等動物の副腎皮質におけるステロイド産生反応系に関与する膜酵素、P450scc,P45017α,P45011βおよび3βHSDは数段階の連続反応を触媒するが、その連続反応において最終生成物は酵素より解離しない中間体から生成されるという特徴がある。本研究では(1)P45011βと(2)P45017αの連続反応の反応機構の解明に焦点を絞った。
(1)P45011βはデオキシコルチコステロン(DOC)からアルドステロン(ALDO)への3段階の連続する水酸化反応を触媒する。この反応では第1段階目に11βの水酸化が起こる経路(経路1)と、18位の水酸化が起こる経路(経路2)の2つの経路が考えられていた。人工膜リポソームに組み込んだP45011βを用い反応迅速停止法によりその中間代謝物の消長を測定したところ、DOCの急速な減少に伴い11β水酸化物であるコルチコステロン(COR)の増加が観測され、その後CORの減少に伴ってそれに続く代謝反応が起こりALDOが生成されることが判明した。この結果は明らかに経路1によりALDOが生成されることを示している。P45011βにP450sccが結合すると定常状態におけるCORの合成反応速度は約10倍速くなるが、それに続く18位水酸化反応は完全に阻害される。この原因は、両酵素の複合体形成によりCORのP45011βからの解離速度が速くなるためであると速度論的解析から判明した。
(2)ウシのP45017αはプリグネノロン(PREG)から17αOHプリグネノロン(17αOH-PREG)を経てデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)に至る2段階の水酸化反応を触媒するが、プロゲステロン(PROG)を2段階反応でアンドロステンジオン(AND)に変換できない。その原因を調べるためウシのP45017αを大腸菌で発現させて精製し人工膜リポソームに組み込み反応速度を測定したところ、中間代謝物である17αOH-PROGの酵素からの解離速度が、17αOH-PREG場合より約10倍速いことが分かった。この速い中間代謝物の解離が次の水酸化反応に進むことを阻止していると結論できた。
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[Publications] T.Yamazaki: "Kinetic Analysis of Successive Reactions Catalyzed by Bovine Cytochrome P45017α,lyase" Biochemistry. 37. 2800-2806 (1998)
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[Publications] Y.Azumaya: "Existence and Localization of a Protein in Zebra Finch Brain with Similar Structural Feature as the Large Subunit of the Splicing Factor U2AF" J.Experimental Zoology. (in press). (1998)
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[Publications] T.Imai: "Kinetic Studies on Bovine Cytochrome P45011β Catalyzing Successive Reactions from Deoxycorticosterone to Aldosterone" Biochemistry. (in press). (1998)
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[Publications] T.Yamazaki: "Kinetic Anylysis of Successive Reaction Catalyzed by P45017α,lyase and P45011β(in Oxygen Homeostasis and Its Dynamics)" Y.Ishimura, H.Shimada and M.Suematsu,Edt(Springer,Tokyo), 7 (1998)
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[Publications] T.Tsutsui: "P450scc activity in the brain(in Perspective in Avian Endocrinology)" S.Harvey and R.J.Etches,Eds.(Jounal of Endocrinology Ltd,Bristol), 8 (1997)
