1997 Fiscal Year Annual Research Report
フォリスタチンドメインを有するタンパク質群の機能解析
Project/Area Number |
09680626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
中村 隆範 香川医科大学, 医学部, 教授 (70183887)
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Keywords | フォリスタチン / フォリスタチンドメイン / TSC-36 |
Research Abstract |
研究代表者は平成9年5月16に付けで前任地の徳島大学分子酵素学研究センターより香川医科大学・医学部に転任した。本研究課題の実施に当たり、本年はまず実験設備と実験動物の飼育環境の整備などに努め、生化学、並びに分子生物学的実験を実施できる環境をほぼ整えることができた。現在アフリカツメガエルの卵や初期胚の操作を行う実験器具を購入して、その整備を進めているところである。その間、徳島大学の東海林博樹氏らとの共同研究により、フォリスタチンドメインを持つ新規マウスタンパク質、TSC-36(TGF-β-stimulated clone36)のツメガエルホモログ、xTSC-36のcDAクローニングを行った。 マウスTSC-36は骨芽細胞株においてTGF-βにより発現が誘導される遺伝子として同定されたが、その機能は今日でも不明である。我々はツメガエル初期胚をモデルに、この新規遺伝子の機能を明らかにするためにツメガエル胚cDNAライブラリーよりxTSC-36の全長をコードするクローンを得た。予想されるアミノ酸配列から、xTSC-36は299アミノ酸からなる分泌タンパク質であり、マウスやヒトホモログとは約70%のアミノ酸配列が一致することがわかった。フォリスタチンドメインの存在するN末端付近の類似性は特に高く、特徴的なシステム残基の位置も動物種間で完全に保存されていた。しかし哺乳類TSC-36に4ヵ所存在するアスパラギン糖鎖の結合が予想される配列は、xTSC-36ではそのうち1ヵ所が保存されているのみであった。現在、とくに初期発生過程でのTSC-36の役割を検索するために、ツメガエル初期胚におけるTSC-36遺伝子の発現パターンを調べる準備を進めている。
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