1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680626
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
中村 隆範 香川医科大学, 医学部, 教授 (70183887)
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Keywords | フォリスタチン / TSC-36 / FRP / follistatin-related protein / アフリカツメガエル / アクチビン / ヘパラン硫酸プロテオグリカン |
Research Abstract |
1. マウスのフォリスタチン関連蛋白質TSC-36(FRP,f0llistatin-related protein)は、骨芽細胞株においてTGF-βにより発現が誘導される遺伝子産物として同定された。我々はこの新規遺伝子の機能を明らかにするため、アフリカツメガエルFRP遺伝子(xFRP)のcDNAクローニングを行なった。ツメガエル初期発生過程で、xFRPの発現は原腸胚期(嚢胚期)から尾芽胚まで維持されていた。また、シュペーマンオーガナイザー、脊索、下索、底板、体節などで強い発現が観察されて、神経誘導に関与していると考えられているフォリスタチン遺伝子の発現と類似していることもわかった。 2. フォリスタチンの神経誘導における第一の役割は、アクチビン活性の抑制であると予想されている。我々はフォリスタチンによるアクチビンシグナル遮断機序に検討を加え、細胞膜結合型ヘパラン硫酸プロテオグリカンを介したエンドサイトーシスによってアクチビン/フォリスタチン複合体が細胞内に取り込まれて分解・代謝され、アクチビンシグナルが遮断されている可能性を指摘した。 一方、ツメガエル初期発生にはbFGFのようなヘパリン結合性増殖因子やヘパラン硫酸プロテオグリカンが関与していることが知られている。今回、フォリスタチンやbFGFなどヘパリン結合性蛋白質の代謝機構の詳細を明らかにする目的で、BALB/3T3細胞、COS-7細胞について、bFGFとアクチビン/フォリスタチン複合体の分解活性を比較検討した。その結果、これらが、細胞膜結合型のヘパラン硫酸プロテオグリカンのエンドサイトーシスに伴って細胞内に取り込まれる共通の経路を経て分解除去されることがわかった。FRPは弱いながらヘパリンと親和性を持つ蛋白質であることから、FRPの機能に対するヘパラン硫酸プロテオグリカンの関与も注目される。
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Research Products
(1 results)