1997 Fiscal Year Annual Research Report
酵母におけるイノシトールとTGFB受容体シグナル伝達の解析
Project/Area Number |
09680627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
仁川 純一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00134271)
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Keywords | イノシトール / TGFβ受容体 / 酵母 / 転写因子 |
Research Abstract |
我々が以前に単離した出芽酵母のire15変異株においては、イノシトール合成の律速酵素をコードするINO1の発現に欠損があり、したがってire15変異株はイノシトール要求性示す。このire15変異株の表現型を抑制するヒトcDNAをいくつか単離したところ、TGFβ受容体、プロテインホスファターゼータイプ2AのサブユニットA、14-3-3蛋白、蛋白アルギニンメチル基転移酵素の各遺伝子であることが明らかになっている。今回、これらヒトcDNAの酵母内での機能明かにし、イノシトール要求性との関係を明かにする目的で、さらにire15変異の解析をおこなった。まず多コピーでire15変異を抑制する酵母遺伝子を単離し、その解析を行った。その結果、HACl、INO1、CIN5の各遺伝子が単離出来た。さらに単コピーの酵母遺伝子ライブラリーからもHAC1が単離出来たこと、およびire15変異株とHAC1欠損株の相補試験より、ire15変異はHAC1遺伝子の変異であることが明らかになった。HAC1遺伝子は、bZIPドメインを持つ転写因子をコードする。次に、ire15変異株より変異型のHAC1遺伝子を単離しその塩基配列を調べたところ、塩基の置換が見つかり、その結果多くのbZIP構造によく保存されているArg残基がLys残基に変わっていることが明らかになった。この変異型HACl遺伝子は、多コピーでも機能しないことが分かった。またire15変異の表現型を抑制するTGFβ受容体wp始めとするヒトcDNAは、いずれもHAC1完全欠損株の表現型を抑制することも分かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.Nikawa,M.Sugiyama,K.Hayashi, A.Nakashina: "Suppression of the Saccharo myces cerevisiae hacllire15 mutation by yeast genes and human cDNAs" GENE. 201. 5-10 (1997)