1998 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン1αの細胞内局在におよぼすリン酸化の役割
Project/Area Number |
09680633
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渡辺 直子 東邦大学, 理学部, 助教授 (80230978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
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Keywords | インターロイキン1α / 細胞内局在 / リン酸化 / 核移行シグナル / 融合タンパク質 |
Research Abstract |
1. Kozak配列を付加したインターロイキン1α(IL-1α)前駆体発現プラスミドおよびIL-1α前駆体/green fluorescence protein(GFP)融合タンパク質発現プラスミドの作製 昨年度作製したIL-1α前駆体/β-ガラクトシダーゼ(β-gal)発現プラスミドは、発現量が低く細胞内局在を特定できなかった。そこで、IL-1α前駆体の翻訳開始部分にKozak配列を付加したIL-1α前駆体/β-gal融合タンパク質発現プラスミドを作製した。また、Kozak配列を付加したIL-1α前駆体の下流にGFPタンパク質を融合させた発現プラスミドも作製した。 2. 融合タンパク質発現細胞におけるβ-gal活性の検出 上記で作製した融合タンパク質発現プラスミドDNAをリン酸カルシウム法によりマウス線維芽細胞NIH/3T3にトランスフェクションし、2日後に細胞を固定した。β-galの基質であるX-galを加えて青色の発色によりβ-gal活性を観察したところ、Kozak配列を付加したことにより融合タンパク質の発現量が増加し、より多くの細胞で発色が観察された。リン酸化部位を持つ野生型IL-1α前駆体は、核と細胞質の両方に存在していたのに対し、リン酸化部位を持たないIL-1α前駆体では、核のみに局在が観察された。IL-1α前駆体/GFP融合タンパク質についても同様の結果を得た。一過的な発現細胞において、32p-正リン酸標識後の免疫沈降によってIL-1α前駆体のリン酸化の有無は検出できなかったが、これらの結果より、リン酸化が核への移行を抑える働きがあることが示唆された。また、成熟体部分の配列を含まないリン酸化部位を持つ前駆体部分では核に局在したことから、IL-1α前駆体のコンホメーションが細胞内局在に影響を与える可能性が考えられた。
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[Publications] Yamashiro,T.et al.: "Reguirement of expression of P-glycoprotein on human natural killer leukemia cells for cell-mediated cytotoxicity" Biochem.Pharmacol.55. 1385-1390 (1998)
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[Publications] Watanabe,N.et al.: "Processing and release of tumor necrosis factor α" Eur.J.Biochem.253. 576-582 (1998)
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[Publications] Watanabe,N.et al.: "Apoptosis induced by nigericin is independent of activation of interleukin-1β converting eneyme" Cytokine. 10. 645-653 (1998)
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[Publications] Kurosaka,K.et al.: "Production of proinflamonatory cytokines by phorbol myristate ocetate-treated THP-1 cells and monocyte-derived macrophages after phagocytosis of apoptotic CTLL-2 cells" J.Immunol.161. 6245-6249 (1998)