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1997 Fiscal Year Annual Research Report

シクロフィリンによるプロリン残基異性化反応の触媒機構の研究

Research Project

Project/Area Number 09680647
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

伊倉 貞吉  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50251393)

Keywordsシクロフィリン / プロリン残基 / 異性化反応 / タンパク質の折れたたみ / 自己触媒
Research Abstract

ペプチジループロリル-異性化酵素は、細胞内でのタンパク質の折れたたみ機構に関与するだけでなく、免疫、細胞分裂等の様々な場面で働いていることが最近明らかになってきている。中でもシクロフィリンは、HIVの感染に関与することが知られており、最も精力的に研究されてきているタンパク質である。しかし、膨大な酵素学的データの蓄積にも関わらず、未だにシクロフィリンの構造安定性や折れたたみ機構に関する物理化学的研究は進んでいない。この理由のひとつには、ヒトのシクロフィリンAが不可逆的な変性を示すことが挙げられる。そこで本研究では、大腸菌のシクロフィリンA(eCyPA)を対象とし、本年度は、その安定性と折れたたみ機構についての研究を行った。
まず、eCyPAの変性が可逆であることをCD測定と酵素活性測定により確認した後、平衡条件下での、eCyPAのアンフォールディング転移が二状態転移によってあらわされることを明らかにした。20°C、pH7.0、尿素濃度0Mでの変性に伴う自由エネルギー変化は、13.4kcal/molと見積もられた。
次に、尿素濃度ジャンプによるeCyPAのアンフォールディング反応とリフォールディング反応とをストップトフローCD法を用いて速度論的に解析した。アンフォールディング反応は単一の指数関数によって表わされた。リフォールディング反応は、少なくとも3つの指数関数によって表わされた。遅い相2つは、プロリン残基の異性化反応に対応すると考えられた。最も速い相は、その速度定数が尿素濃度に依存し、尿素濃度0Mに外挿すると1000s^<-1>以上になった。速い相は、eCyPAの天然構造への折れたたまれる反応に対応すると考えられた。eCyPAのリフォールディング反応では自己触媒作用は観測されなかった。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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