1998 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-2 ヌクレオキャプシド・タンパク質の立体構造と機能の解析
Project/Area Number |
09680656
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前田 忠計 北里大学, 理学部, 教授 (90265728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 俊之 三菱化学生命科学研究所, 副主任研究員
小寺 義男 北里大学, 理学部, 講師 (60265733)
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Keywords | NMR / 立体構造 / HIV-2 / ヌクレオキャプシド・タンパク質 |
Research Abstract |
当研究は,HIV-2のヌクレオキャプシド(NC)タンパク質(NCp8:zinc finger motif(ZFM)を2つ含む49アミノ酸残基のペプチド)を対象とし,その機能発現機構解明を目的としている.本年度は主に次の3点について研究を進めた. 1. N端側ZFMを含む部分ペプチド(NCp8-f1:29残基)の立体構造解析結果の論文発表 NCp8-f1はウイルスRNA結合活性を有する.このことはHIV-1のNCタンパク質(NCp7)と共通している.論文ではNCp8-f1の立体構造とNCp7の立体構造,さらに1つのZFMでNCp8およびNCp7と同等の活性を持つNCp10(マウス白血病ウィルスのNCタンパク質)の構造と比較して,機能発現機構について議論した.(Kodera,Y.et al.(1998)Biochemistry 37,17704-17713)2. C端側ZFMを含む部分ペプチド(NCp8-f2:27残基)の立体構造解析 NCp8-f2はウイルスRNAとの結合活性を持つ.これに対してNCp7の相当領域の部分ペプチドはウイルスRNAとの結合活性を持たない.この点に注目してNCp8-f2の立体構造解析を行った.その結果,NCp8-f2では機能発現に重要なlinker領域(2つのZFMをつなぐ部分.7残基を含む)が構造を持っていることがわかった.現在論文作成中である. (1998年11月,NMR討論会にて発表) 3. 大腸菌を用いたNCp8の大量調製 今後,NCp8およびRNAとNCp8の複合体の立体構造解析を行うためには,窒素核を安定同位体標識したNCp8が大量に必要である.そのため本年度は,大腸菌を用いてNCp8を大量発現することを開始した.既にNCp8の発現を確認した.
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[Publications] Yoshio Kodera: "High-resolution solution NMR structure of the minimal active domain of the human immunodeficience virus type-2 nucleocapsid protein" Biochemistry. 37. 17704-17713 (1998)
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[Publications] Toshiyuki Kohno: "A new general method for the biosynthesis of stable istope-enriched peptides using a decahistidin-tagged ubiquitinfusion system" J.Biomol.NMR. 12. 109-121 (1998)