1999 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡によるタンパク質高分解能イメージング技術の開発
Project/Area Number |
09680657
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古野 泰二 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00165490)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / タッピングモード / ティップ / 2次元結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的はタンパク質などの柔らかい生体分子を水中で原子間力顕微鏡(AFM)観察するための技術を開発することである。 すでにこれまでの研究において、収束電子線を使って成長させた先鋭なカーボンティップ(スーパーティップ)を用い、柔らかいカンチレバーによるタンパク質2次元結晶の高分解イメージングについて報告した。 本年度は、タッピングモードによる1分子イメージングを試みた。まず、フェリチンおよびカタラーゼを種種の基板に物理吸着させた。金属のスパッタ膜上に吸着した分子は安定であったが、走査中のティップによる横方向の力を受けて大きく変形した。そこで、横方向の力を低減し、さらに分子を安定化する目的で、フェリチンをカタラーゼの2次元配列に埋め込み、カタラーゼをストレプトアビジンの2次元配列に埋め込んだ試料を作成した。その結果、原子間力顕微鏡の走査パラメータの最適化を行えば、それぞれの1分子形状をタッピングモードAFMイメージング可能であることを明らかにした。10ナノメータ程の分子形状が明瞭に認識できるので、この方法を用いてタンパク質をマイルドに固定し、分子同士の反応の追跡を生理的条件下で試みるときなどに役立つものと考えられる。
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