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1998 Fiscal Year Annual Research Report

ペプチド断片鎖による蛋白質立体構造再構成の熱力学

Research Project

Project/Area Number 09680660
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

瀬川 新一  関西学院大学, 理学部, 教授 (70103132)

KeywordsチトクロムC / ペプチド断片複合体 / 熱力学 / 蛋白質の構造形成 / カロリメトリー
Research Abstract

蛋白質の折りたたみ機構はポリペプチド鎖間の特異的な相互識別反応である。特別なアミノ酸配列のペプチド鎖の間以外ではどんな相互作用も及ぼし合わない。我々はチトクロムcを用いて、特異的なアミノ酸配列間の相互作用の熱力学的パラメータを定量的に研究することを試みた。ツナ・チトクロムcを加水分解し2つのペプチド断片鎖(1-44)・Hと(45-103)を単離・精製した(Hはヘム付きであることを意味する)。それぞれのペプチド鎖単独ではランダム鎖であるが、この2つを混合すると天然チトクロムcに極めて近い立体構造をもつ複合体が形成されることをCDスペクトル、質量分析スペクトルなどによって確認した。つぎに構成ペプチド鎖間の相互作用エネルギーを定量的に測定するために、滴定型カロリメータで複合体形成反応のエンタルピーを精密測定した。一方、天然ツナ・チトクロムcの折りたたみ反応に伴うエンタルピー変化量、熱容量変化量を決定し、断片鎖複合体形成反応と直接比較したところ、ペプチド断片鎖複合体においても天然蛋白質立体構造に十分匹敵する内部相互作用が働いていることが明らかとなった。この研究はペプチド断片鎖の構成を自由に制御できる点で、天然蛋白質の構築原理を真に解明する重要な研究手段となることを実証した。我々は現在さらに再構成ペプチド鎖を3断片にして研究を続けている。我々はこの研究の中で、いわゆるvan't Hoffエンタルピーと熱測定から決まる反応エンタルピーが有意に異なるという結果を得た。その原因を詳細に考察したが、理論的には両者は一致すべき物理量であることを確認した。我々はvan't Hoffプロットという間接的方法による決定精度が劣ることが原因で、精密な熱測定を行えば反応エンタルピーから決めるべき物理量であると考える。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Atsushi Yokota: "Thermodynamics of the Reconstitution of Tuna Cytochromec from Two Peptide Fragments" Protein Science. 4. 1717-1727 (1998)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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