1998 Fiscal Year Annual Research Report
FAKチロシンキナーゼを介した細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
09680668
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 次郎 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60282521)
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Keywords | チロシンキナーゼ / 細胞接着 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
1. 前年度までにクローニングしたショウジョウバエFAK(focal adhesion kinase)相同遺伝子(DFAK56)について、以下に示す解析を行った。 (1) 免疫蛍光抗体法により、ショウジョウバエ神経由来培養細胞においてDFAK56蛋白質が哺乳類培養細胞の接着斑(focal adhesion)に相当する構造にインテグリンと共に発現していることを見出した。 (2) ショウジョウバエ培養細胞を用いた実験によって、DFAK56蛋白質がインテグリンを介した細胞基質間の接着によりリン酸化が亢進し、その際ショウジョウバエのsrc相同蛋白質の一つであるDsrc41蛋白質と会合していることを明らかにした。 (3) 野生型およびキナーゼ活性を消失させた変異型DFAK遺伝子を誘導的・空間特異的に発現させることのできるトランスジェニックハエの系統(UAS-DFAK56)を作製し、変異体の強制発現による胚発生時の神経系への影響を観察したが、神経形成に大きな影響は見られなかった。以上の結果は現在論文発表準備中である。 2. PCR法を用いてFAK遺伝子のcDNAにランダムに突然変異を導入した発現ライブラリーを作製し、NIH3T3細胞を用いて細胞のトランスフォーメーションを指標として活性型の突然変異を同定するためのスクリーニングを行った。 約10万の変異体をスクリーニングしたが、変異遺伝子の導入によりトランスフォームした細胞はまだ得られていない。
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