1998 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御部位を含むDNAライブラリー作製法の開発とその応用
Project/Area Number |
09680670
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
丸山 和夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90165944)
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Keywords | 転写制御 / 発現制御 / cDNA / 5'上流 / 組織特異的発現 |
Research Abstract |
染色体上の遺伝情報は、転写・翻訳・修飾・局在などを通して機能分子として働く。転写はこれら一連の発現制御の第一段階であり、主に遺伝子の5'上流にある特異的塩基配列とDNA結合蛋白質との相互作用によって制御されている。ゲノムプロジェクトによって、染色体DNAの塩基配列が急速に蓄積されているが、発現制御部位の同定は、効率よく網羅tekiに遺伝子の5'上流部分を単離する方法がまだ確立していないため、ゲノムプロジェクトが進んでも、空白部分となる可能性が高い。 本研究は、研究代表者が開発したオリゴ・キャップ法を発展させ、遺伝子の5'上流部分のライブラリー作製法の開発を目的としてい志。オリゴ・キャップ法による完全長cDNAライブラリーの作製とその塩基配列のカタログ化が進む中で、その5'末端が公開されているデータベースの塩基配列と一致しない例が見つかってきた。そこで、転写開始点同定法の再確認を含め以下の検討を行った。 ・オリゴ・キャップ法で同定、された転写開始部位の検討 完全長cDNAライブラリーとデータベースに登録されているcDNAの5'末端を比較した結果、オリゴdTからcDNAの伸長反応を行った場合には、調製されたmRNAによっては完全な5'末端が得られない場合があった。しかし、ランダムプライマーや特異的な塵基配列をもとにcDNAの伸長反応を行った場合には、正確な転写開始点が同定できることが分かった。このことは、実際に分離したプロモータ部分の欠質変異体とそのプロモータ活性を比較検討した結果とも一致していた。 ・プロモータ部位の分離と解析 オリゴ・キャップ法で同定した転写開始部位の情報をもとに各種プロモータを分離し、その詳細な構造解析と転写活性の検討を行った。 ・ライブラリーの作製 各種臓器由来の培養細胞からmRNを抽出し、臓器特異的ライブラリーの作製とそのカタログ化、5'末端の比較検討を行っている。
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[Publications] T. Kurihara: "Genomic structure and promoter analysis of the gene encoding MM3, a member of transmembrane 4 superfamily" Gene. 185. 277-283 (1997)
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[Publications] Y. Suzuki: "Construction and characterization of a full length-enriched and a 5'-end-enriched cDNA library" Gene. 200. 149-156 (1997)
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[Publications] Y. Yanagisawa: "Isolation and Characterization of the 5' Region of the Human Mismatch Repair Gene hPMS1" Biochem. Biophys. Res. Commu.243. 738-743 (1998)
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[Publications] Y. Iwahashi: "Promoter analysis of the human mismatch repair gene hMSH2" Gene. 213. 141-147 (1998)
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[Publications] E. Ito: "A core promoter and a frequent single-nucleotide polymorphism of the mismatch repair gene hMLH1" Biochem. Biophys. Res. Commu.(印刷中). (1999)
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[Publications] E. Ito: "Two short sequences have positive effects on the human p27^<kip1> gene transcription" Gene. (印刷中). (1999)