1997 Fiscal Year Annual Research Report
根粒菌共生遺伝子の進化におけるインテグラーゼの機能の解明
Project/Area Number |
09680678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内海 俊樹 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20193881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 四郎 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60041216)
阿部 美紀子 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00107856)
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Keywords | 根粒菌 / アグロバクテリウム / 溶原性ファージ / 共生プラスミド / インテグレーション / インテグラーゼ / tRNA / 根粒形成遺伝子 |
Research Abstract |
溶原性ファージのゲノムには、宿主菌のtRAN遺伝子と相同な配列と組換え反応を行うインテグラーゼ遺伝子が一つのユニットとして存在する場合が多い。根粒菌のインテグラーゼtRANユニットが、根粒形成遺伝子群などの再編成あるいは水平伝達を行い、根粒菌の進化に関与したことが考えられる。平成9年度は、各種根粒菌及びクローバ根粒菌の共生プラスミド(pSym)を導入したAgrobacteriumの性質解析とPCRによるtRAN/インテグラーゼユニットの検索を試みた。 1.各種根粒菌の性質 熱帯産の根粒菌は、宿主域や根粒形成遺伝子群の位置がバリエーションにとみ、遺伝子の再編成あるいは水平伝達が高頻度でおきている可能性がある。東南アジア産根粒菌の宿主域等について検討し、RAPDによる系統解析を試みたところ、幾つかの特徴的ナグループが存在することが明らかとなった。 2.クローバ根粒菌のpSymを導入したAgrobactriumの性質 クローバ根粒菌のpSymを導入したA.tumefaciens A136株の宿主域について検討した結果、アルファルファに根粒を形成する株が出現し、宿主域の拡大がみられt。また、電気泳動ではpSymを検出不能な Agrobactrium菌株は、サザン法及びPCRにて根粒形成遺伝子群の存在が検出可能なことを確認した。この菌株については、pSymが染色体に組み込まれた可能性もあり、平成10年度に詳細に解析する予定である。 3.インテグラーゼ/tRNAユニットの検索 クローバ根粒菌の染色体上のファージ溶原化部位の境界配列を詳細に解析し、インテグラーゼ/tRNAユニット検出用のPCRプライマーを合成した。各種根粒菌について、PCRによるインテグラーゼ/tRNAユニットの検索を試みたが、本研究に使用した菌株では、インテグラーゼ/tRNAユニットの存在は明確にできなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nuntagij,A.: "Characterization of Bradyrhizobium strains isolated from soybean cultivation in Thailand." Journal of General and Applied Microbiology. 43(3). 183-187 (1997)
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[Publications] Uchiumi,T.: "Biological Nitrogen Fixation for the 21st Century" Kluwer Academic Publishers, 708 (1998)
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[Publications] Higashi,S.: "Biological Nitrogen Fixation for the 21st Century" Kluwer Academic Publishers, 708 (1998)