1998 Fiscal Year Annual Research Report
根粒菌共生遺伝子の進化におけるインテグラーゼの機能の解明
Project/Area Number |
09680678
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内海 俊樹 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20193881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 四郎 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60041216)
阿部 美紀子 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00107856)
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Keywords | 根粒菌 / アグロバクテリウム / 溶原性ファージ / 共生プラスミド / インテグレーション / インテグラーゼ / tRNA / 根粒形成遺伝子 |
Research Abstract |
クローバ根粒菌4S株は、根粒形成遺伝子群(nod genes)が共生プラスミド(pSym)上に位置している。このpSymを根粒菌と近縁のAgrobacterium tumefaciens A136株に接合伝達すると、pSymをプラスミドの状態で保持する菌株(pSym+株)とpSymが染色体にインテグレートしたと予想される菌株(pSym-株)が出現することを見い出した。本年度は、パルスフィールド電気泳動で両菌株の染色体の制限酵素断片を比較・検討することを主目的とした。 1. パルスフィールド電気泳動の条件検討 菌体をアガロースゲルに包埋した後の溶菌法、制限酵素による染色体DNAの切断条件、電気泳動条件について検討した。CHEF DRIIIシステム(Bio-Rad社)を使用し、泳動条件は、0.8%アガロースゲルにて、6V/cm、パルスタイム20〜120秒、泳動時間20時間で最も良好な結果が得られた。 2. 制限酵素断片の比較 Agrobacterium A136株、pSym+株、pSym-株のSwa I及びPac I断片について比較した。どちらの制限酵素断片についてもA136株とpSym+株では、泳動パターンは完全に同じであった。ところが、pSym-株は、特徴的なパターンを示した。特にSwa I断片については、A136株とpSym+株に共通な365kbの断片は検出されず、約450kbの断片が存在した。このことは、nod genesをプローブとしたサザン解析の結果と併せると、pSym-株では、Swa Iの365kbの断片にpSymの一部(少なくともnod genesを含む約100kbの断片)が挿入されていることを示している。 以上のように、根粒菌の共生プラスミドの一部である巨大なDNA断片が、何らかの機構によりアグロバクテリウムの染色体にインテグレートされることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Uchiumi,T.: "Integration of the temperate phage φU into the putative tRNA gene on the chromosome of its host Rhizobium legurninosarum biovar trifolii" The Journal of General and Applied Microbiology. 44. 93-99 (1998)
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[Publications] Abe,M.: "Transfer of the symbiotic plasmid from Rhizobiurn legurninosarurn biovar to Agrobacterium tumefaciens" The Journal of General and Applied Microbiology. 44. 65-74 (1998)
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[Publications] Uchiumi,T.: "Detection of the leghemoglobin gene on two chromosomes of Phaseolus vulgaris by in situ PCR linked-fluorescent in situ hybridization(FISH)" Plant and Cell Physiology. 39. 790-794 (1998)