1999 Fiscal Year Annual Research Report
根粒菌共生遺伝子の進化におけるインテグラーゼの機能の解明
Project/Area Number |
09680678
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内海 俊樹 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20193881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 四郎 , 鹿児島大学名誉教授 (60041216)
阿部 美紀子 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00107856)
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Keywords | 根粒菌 / アグロバクテリウム / 共生プラスミド / 根粒形成遺伝子 / 宿主域 / 溶原性ファージ / インテグレーション |
Research Abstract |
クローバ根粒菌の根粒形成遺伝子群(nod genes)は、共生プラスミド(pSym)上に位置している。このpSymを根粒菌と近縁のAgrobacterium tumefaciens A136株に接合伝達した場合、pSymを保持する菌株(pSym+型)、pSymを検出できない菌株(pSym-型)に加え、サイズが変化したプラスミドを保持する菌株(pSymC型)が出現することを新たに見出した。本年度は、これらのAgrobacterium菌株の宿主域及び窒素固定能について検討した。 1.アグロバクテリウム菌株の宿主域と共生窒素固定能 クローバ根粒菌のpSymを導入した種々のAgrobacterium菌株について根粒形成試験を行ったところ、クローバ以外にもシラトロ、アルファルファ、スズメノエンドウに根粒を形成する菌株を見出した。これらの菌株について、その保持するプラスミドをアガロースゲル電気泳動にて確認したところ、pSym+型、pSym-型、pSymC型のどの型も存在した。nod genes領域には、サザン解析及びPCRで検出できるような変化はなかった。アルファルファを宿主とした場合のAgrobacterium菌株の感染過程は、通常の根粒菌の感染と同様であり、感染糸を経由して宿主細胞内に侵入し、形態的にはバクテロイド化していた。しかしながら、アセチレン還元法では窒素固定活性は検出できなかった。 2.アグロバクテリウム菌株が生産するNod因子の解析 根粒形成遺伝子群の最終産物はNod因子とよばれるキトオリゴ糖であり、宿主植物に対してシグナル分子として作用する。特に、アルファルファ根粒菌のNod因子は硫酸基を持つことが知られているが、アルファルファに根粒を形成するAgrobacterium菌株のNod因子は、硫酸基を持たないクローバ根粒菌のものと同じである可能性が示された。
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Research Products
(1 results)