1997 Fiscal Year Annual Research Report
光シグナルと植物のGタンパク質活性を制御する因子の解析
Project/Area Number |
09680683
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松井 南 理化学研究所, 分子機構研究チーム, 副チームリーダー(研究職) (80190396)
|
Keywords | GTP結合タンパク質 / GDP Dissociation Inhibitor / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
植物の低分子量GTP結合タンパク質は、ゴルジ装置や小胞膜表面に存在して分泌顆粒の輸送や新生タンパク質の輸送に関与していることが示唆されている。われわれは、シロイヌナズナから5つの異なった低分子量GTP結合タンパク質の遺伝子を単離して解析を続けてきた。これらの遺伝子のうち、ARA2,ARA4について解析を行ない実際GTPが結合していることを確認している。そのうちのARA4タンパック質は、共同研究者からいくつかのタンパク質とin vitroで相互作用することが報告され、それが動物細胞でよく解析されているGDP Dissociation inhitorであることがわかった。このタンパク質は、酵母や動物細胞においてGTP結合タンパク質がGDP結合型とGTP結合型の間の交換反応を制御していることが知られている。この遺伝子の単離は植物において最初の報告であり、動物のそれと構造的に非常に似通っていた。われわれは、更にこの遺伝子がシロイヌナズナで小さな遺伝子ファミリーを形成していることを示し、その1つを単離したAtGDI2と名づけたこの遺伝子は、全体にわたってアミノ酸配列が、AtGDI1と更に動物のGDIと非常に似通っていた。更にこの遺伝子をARA4の導入によって生育が阻害された酵母細胞に導入するとAtGDI1を導入した場合と同様に生育を回復させることができることがわかった。このことは、ARA4の過剰発現によって奪われていた酵母の因子がAtGDI2の発現によって捕われたことを示しており、ARA4タンパク質とAtGDI2タンパク質が相互作用していることを示しているものと考えられた。
|