1997 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質生合成における膜透過停止過程を補助する因子
Project/Area Number |
09680691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10192460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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Keywords | 膜タンパク質 / SecY / ストップトランスファー / prlA |
Research Abstract |
N末端側に存在する膜透過シグナル配列によって開始された膜透過反応が、第2の疎水性領域で停止し、C末端側を細胞質側に配向するような膜貫通領域を生成する「ストップトランスファー」過程における、大腸菌の膜透過装置の主要構成因子であるSecYの役割を調べるため、モデル膜蛋白質、proOmpA165-LacY(TM12)-PhoAを作製した。このモデル膜蛋白においては、シグナル配列の切断によりN末端領域側の膜透過を、PhoA活性測定と細胞抽出液をトリプシン処理したとき、耐性PhoA断片があらわれるかどうかにより、PhoA部分の局在性を調べることができる。また、Spheroplastあるいは反転膜小胞をそれぞれトリプシン処理したときの切断パターンを調べることにより、膜における配向を確認する事ができる。野生株並びに各種のsecY変異株中でモデル蛋白質を発現させて比較した。proOmpA165-LacY(TM12)-PhoAは、野生株中では大部分がそのPhoAドメインを細胞質側に配向していたが、一部のものではPhoA部分がペリプラズム側にも移行していた。つまり、ストップトランスファーは概ね起こってはいるが、不完全であった。secY125変異株中では、PhoAドメインのペリプラズム側への移行が野生型株中に比べ昴進しており、ストップトランスファーが野生株よりもより不完全であった。prlA4-1変異(secY変異の一つ)株中ではそのような移行は全く起こっておらず、一方N末端側の膜透過は正常に起こっていることから、ストップトランスファーがより完全に起こっていることが示された。これらの結果は、SecYが膜タンパク質の膜組み込み過程において、膜透過に続くストップトランスファー過程に関与し、疎水性領域の膜への組み込みとその配向性決定に何らかの役割を担っていることを示唆している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Akio Kihara: "Host regulation of lysogenic docision in bacteriophage λ : transmembrone modulation of FTSH(HflB),the CII degrading protease, by HflKC" Proceedings of National Academy of Science, U.S.A.94. 5544-5549 (1997)