1997 Fiscal Year Annual Research Report
微小管結合性/rho活性化因子の分裂環形成二細胞質分裂における役割の研究
Project/Area Number |
09680694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
榎本 平 神戸大学, 医学部, 助教授 (00127622)
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Keywords | G蛋白 / 微小管 / アクチン線維 / 分裂環 |
Research Abstract |
間期の培養細胞でも、微小管の崩壊が引き金となって収縮性のアクチン繊維束(Actin stress fiber)の形成が誘導されることを見い出し、微小管及びその結合因子が収縮性アクチン繊維束の形成制御を担っている可能性を発表した。この因子は細胞分裂期の紡垂体微小管形成-崩壊-収縮環形成-細胞質分裂という一連の生物学上重要な機構のシグナル伝達において重要な役割を果たしていると思われる。収縮環はActin stress fiberと同じくactin/myosinからなる収縮性のアクチン繊維束であり、G蛋白の一種Rhoがその形成に関与していることは以前に明かにした。しかし、その上流や下流の因子やシグナルの流れのついては不明である。これらのシグナル因子とその流れを解明すべく、Balb/c3T3培養細胞を用いて下記のことを明かにした。1.微小管崩壊によりチロシンリン酸化される細胞質蛋白を4種類(120,85,72,42kDa)見い出した。この内、120,85,72kDa蛋白のチロシンリン酸化はRhoG蛋白を不活性化すると消失した。2.Ras癌遺伝子で癌化した細胞では、微小管崩壊によるアクチン繊維の形成誘導はもはや見られなくなる。また、上記4種類の蛋白に内、120、85、72kDa蛋白のチロシンリン酸化も低下していた。3.微小管結合性/Rho活性化因子(MRSF因子)を検索するため、細胞を細胞骨格成分とその他の可溶性画分に分け、Rho蛋白のGTP型生成能を指標にその活性を調べた。その結果、細胞骨格成分にRho活性化因子が含まれていることが判明した。現在、MRSF因子を単一蛋白として同定するため、上記の細胞骨格成分を更に分画し精製することを進めている。
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