1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680697
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮川 勇 山口大学, 理学部, 助教授 (50136165)
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Keywords | 酵母 / Saccharomyces Cerevisiae / ミトコンドリア / ミトコンドリア核 / DNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
1.ミトコンドリアに含まれるタンパク質で最もmtDNAと親和性が高く、mtDNAの折り畳みに関与していると考えられているのは、20kDaのAbf2pと呼ばれるタンパク質である。筆者らは、ミトコンドリア核(mt核)に強く結合している20kDaタンパク質がAbf2pであることを、N末端からのアミノ酸配列決定により明かにした。そして、Abf2pに対するポリクローナル抗体をウサギで作成し、酵母細胞および単離mt核の間接蛍光抗体法でAbf2pがmt核に局在することを明かにした。Abf2pはimmunoblottingで検出できるが、筆者らはAbf2pのDNA結合性とnegative supercoil形成能を利用して、SDS-PAGEゲル上でAbf2pを容易に検出できることを示した。この方法は単離したミトコンドリアまたはmt核をSDS-PAGEにかけ、泳動後SDSを除去してから、ゲルをエチジウムブロミドで染色するという簡単な方法である。今後この方法は様々な酵母をはじめ、動植物でのAbf2pホモログの検出に利用できると考えられる。 2.以前、筆者らは酵母mt核を抗原としてマウスを免疫し、50kDaタンパク質を認識するモノクローナル抗体YMN-1を得た(Miyakawa et al.,1993)。今回、二次元電気泳動ゲルのイムノブロットと、抗原タンパク質のアミノ酸配列決定により、YMN-1抗原タンパク質はα-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体(KGD複合体)のサブユニットのひとつdihydrolipoyl transsuccinylase(KE2)であることを明かにした。また、酵素活性測定により、KGD複合体の一部がmt核分画に含まれていることを明かにした。
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