1997 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオ遺伝子と細胞周期調節遺伝子による細胞分化と増殖の調節
Project/Area Number |
09680699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
富永 明 高知医科大学, 医学部, 教授 (50172193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 嘉哉 高知医科大学, 医学部, 教務職員 (60243846)
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Keywords | ホメオ遺伝子 / 血液細胞 / 神経細胞 / 細胞分化 / 増殖 / がん遺伝子 / PU.1 / サイクリンD1 |
Research Abstract |
申請者はUCLAのEddy M.De Robertis、Martin Blum両博士からマウスgoosecoidゲノム遺伝子の供与を受け、この遺伝子の発現に初めて成功した。goosecoid遺伝子をマウスの赤芽球に発現させるとこの細胞は赤血球に分化しなくなる。しかも、この分子GSCはin vitroで転写因子PU.1と結合することを見い出した。PU.1はRBとともに赤血球の終末分化に必須であることがノックアウトマウス作製によって証明されており、しかもin vitroで互いに結合することが知られている。本研究の第一の目的はGSC、PU.1、RBの三者がどのように血球の発生・分化を調節しているかを解明することにある。第二の目的はgoosecoidが神経細胞の分化に際してb-HLHファミリーの別な分子と結合して分化を促進している可能性を検討することである。 1.分化能の低下したF5-5・GSC-74-3細胞(goosecoid遺伝子を発現した赤芽球細胞)にPU.1遺伝子を導入すると、赤血球への分化能が回復した。このときPU.1はアクチビン添加時に減少し、ややサイズが小さい分子が出現した。 2.すべての血液細胞の発生に必須と考えられているSCL遺伝子産物とGoosecoid蛋白質(GSC)は結合しないが、GSCがPU.1を介してSCLの機能を調節する可能性を検討した。PU.1はSCLと結合しなかった。F5-5・gsc-74-3細胞にSCL遺伝子を導入しても分化能の回復は認められなかった。ただし、抗SCL抗体反応性の分子がF5-5・gsc-74-3細胞で低下していた。 3.神経堤細胞由来PC12にNeuroD遺伝子を発現させても効果は認められなかったが、goosecoid遺伝子を発現させるとニューロフィラメント発現を増強させた。 4.神経堤細胞由来PC12にgoosecoid遺伝子を発現させるとサイクリンD1は減少しないのに、S期の細胞の割合が減少した。
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Research Products
(1 results)