1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680718
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大椙 弘順 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (00201377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博章 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40174809)
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Keywords | 発生生物学 / 形態形成 / 細胞周期 / 細胞増殖 / 四肢 |
Research Abstract |
本研究においては「細胞増殖(細胞周期進行の速度)」と「形態形成因子の発現」との関係に注目して研究を遂行した。昨年度までのこの研究で、鶏肢の発生初期において、Aphidicolinで肢芽前方域で細胞増殖を局所的に遅らせた場合に、過剰指の誘導と本来後方域で発現する遺伝子の新たな発現誘導を明らかにし、また、BrdU取り込みによる肢芽発生過程の詳細な細胞増殖速度の解析により、発生初期の肢芽の先端後部域には他の肢芽先端域に比べて細胞増殖速度が遅い特異的な領域があること明らかにした。さらにこの領域はShhやBMP-2の発現領域によく対応することから、ZPA(Zone of Polarizing Activity)域においては細胞増殖速度が遅いことを明らかにした。本年度は細胞周期進行の速度と遺伝子発現との関係をさらに直接的に明らかにする為に、細胞周期進行を制御する方法として、Cyclin Dependent KinaseのInhibitor(CKI)であるp16,p18,p19の各遺伝子を肢芽で強制的に過剰発現させる方法を採用した。これらCKI遺伝子をサイトメガロウィルスのプロモータを持つ発現ベクターに組み込み、GFP発現ベクターと共にエレクトロポレーション法により肢芽に導入した。その結果pl6とp18遺伝子を導入した場合に、導入細胞域においてのみ、その一部の細胞域において異所的なBMP-2の発現が誘導されることが明らかとなった。導入されたCKIはCDK4/6に結合することで最終的に細胞周期のG1期からS期への進行を抑制する効果が期待されるので、この結果は、細胞周期進行速度が遅いとBMP-2発現が可能となることをより直接的に示すものである。これにより「ZPAで細胞増殖が遅いことがそこでの特異的な遺伝子発現を可能としている一要因となっている」ことをさらに強く示した。
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Research Products
(1 results)