1997 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン・DNA高次構造と初期発生胚遺伝子転写調節機構の解析
Project/Area Number |
09680725
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (90022730)
|
Keywords | 核タンパク質 / インスレーター / 細胞周期 / ウニ胚 |
Research Abstract |
我々はウニのアリールスルファターゼ遺伝子上流に、エンハンサー機能を遮断し、隣接する遺伝子の干渉も遮断するクロマチンの境界(インスレーター)が存在することを示してきた。これまでの研究で、このインスレーターにはGの連続したGストリングが存在し、ウニ胚細胞の核にはGストリングに結合する因子が存在することが示された。そこで、まず第一にGストリング結合因子の機能を明らかにするためにGストリング結合因子(GSBP)のcDNAをクローニングし、その解析を行った。cDNAの全長は6.8Kbで、ORFは約200KDの新規のタンパク質をコードしていた。予想されるアミノ酸配列から、核タンパク質で、サイクリン・cdc2のターゲットであり、destraction boxが存在することから、細胞周期に伴って分解されることが予想された。ノザン分析の結果から、mRNAは約11kであり、未受精卵から存在し、初期発生過程を通じて発現量は一定で、DNA複製速度が低下するプルテウス期に減少することが明らかになった。また、組み替えタンパク質を合成し、抗体を作成して組織染色を行ったところ、細胞周期に伴って出現・消失し、分裂中期から染色体上に現れ、G2、S期には核に存在し、G1から分裂初期にかけて消失することが示された。以上の結果から、GSBPは染色体DNAを核内に配置させるタンパク質であることが示唆された。また、ウニのインスレーターはショウジョウバエの他、タバコ細胞、マウス初期胚でも位置効果を遮断することが示された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Kiyama, K.Akasaka, K.Takata, K.Mitsunaga, N.Sakamoto: "Structure and function of a sea urchin orthodenticle-related gene(HpOtx)" Developmental Biology. 193. 139-1988 (1998)
-
[Publications] K.Mitsunaga, K.Akasaka, Y.Akimoto, E.Akiba, T.kitajima: "Arylsulfatase exists as non-enzymatic cell surface protein in sea urchin embryos" J.Experimental Zoology. 280. 220-230 (1998)
-
[Publications] 赤坂甲治: "隣接する遺伝子の干渉を遮断するインスレーター" 細胞工学. 16. 1476-1484 (1997)
-
[Publications] J.Morokuma, K.Akasaka, K.Mitsunaga, H.Shimada: "A cis-regulatory element within the 5'flanking region of arylsulfatase gene of sea urchin,Hemicentrotus pulcherrimus" Development Growth & Differentiation. 39. 467-476 (1997)
-
[Publications] K.Akasaka, H.Uemoto, F.Wilt, K.Mitsunaga, H.Shimada: "Oral-aboral ectoderm differentiation of the sea urchin embryos is disrupted in response to calcium ionophore" Development Growth & Differentiation. 39. 373-379 (1997)
-
[Publications] N.Sakamoto, K.Akasaka, K.Mitsunaga, K.Takata: "Two isoforms of orthodenticle-related proteins(HpOtx)bind to the enhancer element of sea urchin arylsulfatase gene" Developmental Biology. 181. 284-295 (1997)