1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680726
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩尾 康宏 山口大学, 理学部, 教授 (10144916)
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Keywords | 受精 / 両生類 / 精子 / インテグリン / Caイオン / シグナルトランスダクション |
Research Abstract |
RGD配列ペプチドによる卵付活時のシグナルトランスダクション 最近、我々はアフリカツメガエル卵の付活におけるシグナルトランスダクションにはSrcファミリーのタンパク質チロシンキナーゼ(Xenopus tyrosine kinase,Xyk)が関与することを発見した。卵細胞膜下に存在するXykは精子とRGD配列を含むペプチドでは活性化されるが、Caイオノフォアでは卵付活が起きるにも関わらず、活性化しない。また、Xyk活性を特異的阻害するA7ペプチドが精子とRGDペプチドの両方による卵付活を効果的に阻害することも分かった。これは、精子膜上にRGD配列を含むアゴニストがあり、卵との結合または融合時にXykを活性化して卵内Ca上昇を引き起こしていること示している。これらの受精や人工付活の初期段階でのシグナルトランスダクション経路を明らかにするため、あらかじめ未受精卵にCaキレート剤(BAPTA)、IP3-リセプター阻害剤(抗IP3 リセプター抗体、heparin)やチロシン-リン酸化阻害剤(Genistin,Tyrophostin)などを注入後、受精およびRGDペプチドの処理による卵内Caイオン濃度の上昇をCa感受性色素エクオリンの発光を測定をおこなった。これらにより受精時の精子上のRGD配列を含むアゴニスト(リガンド)と卵細胞膜上のインテグリン様分子の結合反応が細胞内のタンパク質チロシンキナーゼ(Xyk)を介して伝えられ、Ca上昇を引き起こし、卵を付活することを解明した。
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Research Products
(1 results)