1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680739
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
工藤 基 金沢大学, 医学部, 教授 (80108141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 純 金沢大学, 医学部, 助手 (80251924)
北尾 康子 金沢大学, 医学部, 助手 (00019613)
尾小山 重雄 金沢大学, 医学部, 講師 (30019575)
|
Keywords | 神経発生 / 下丘 / 上オリーブ核 / ラット / 聴覚中枢 / 交叉 |
Research Abstract |
哺乳類(ラット)の上オリーブ内側核(MSO)は両耳時間差検出機能を持つ聴覚核のとして生理学的な特性がよく研究されている。我々の研究により解剖学的にもそのニューロン構成や線維連絡がきわめて均一であり、動物種にかかわらず存在し、生後のどの時期でも細胞構築学的に同定が容易で神経細胞数は生後は一定して約750個/一側であり、すべてが同側下丘に投射することがわかった。我々はさらにMSOニューロンの最終分裂時期は胎生12日(E12)でこれは上オリーブ核群の亜核中で最も早くかつ特異的であることをBrdUを用いて明らかにした(Kudo et al.1992,1995,1996)。E12という時期は脳神経の運動核(Vm,VII等の発生時期であるが他の感覚核や網様体の発生時期よりも早いのでMSOの特異的なマーカーとなる。またMSOは鳥や爬虫類のNuclues Laminarisと機能的な相同関係がいわれている(Carr 1992)。しかしLaminarisは延髄背外側に位置して蝸牛神経核に隣接しておりもし両者が真に相同構造ならば哺乳類のMSOの位置である延髄腹側部まで個体発生の過程で細胞移動がおこるはずである。そのような従来の仮説の積極的な検証は未だなく、その結果は興味深い。3H-Thymidineを用いた従来のオートラジオグラフ法と同様の原理でBrdUをE12の妊娠母体に投与した発達ラットを用いて、BrdUの免疫組織化学によってMSOニューロンの移動と分化の過程を経時的に調べた。今後、さらにDiI等を用いて細胞の形態分化を観察し、隣接するニューロンやグリアの免疫組織化学を組み合わせて細胞移動をガイドする機構についての所見をあわせて得ることを目指す。以上の結果から特定の聴覚核の発生に関する知見というだけでなく哺乳類の脳神経核全体の構成原則に迫れる可能性もあり、将来の大きな発展が期待される。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Motoi Kudo: "Auditory projections from the IC to the SCN by way of the LG in the mole, Mogera." NeuroReport. 8・15. 3405-3409 (1997)
-
[Publications] Shigeo Okoyama: "Development of the tecto-thalamic projection neurons and the differential expressions of calcium-binding proteins in the rat." Int.J.Devl.Neurosci.15・6. 813-822 (1997)
-
[Publications] June Kawano: "Cortical projections of the parvocellular laminae C of the dorsal lateral geniculate nucleus in the cat : an anterograde WGA-HRP study." J.Comp.Neurol.392・4. 439-457 (1998)
-
[Publications] Motoi Kudo: "Three-dimensional topographic analysis of spinal accessory motoneurons under chronic mechanical compression : an experimental study in the mouse." J.Neurol.244・1. 222-229 (1997)