1997 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚情報処理機能単位と考えられる嗅球糸球体についての定量的、定性的解析
Project/Area Number |
09680746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 九州大学, 医学部, 講師 (60202058)
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Keywords | 中枢神経系 / 嗅球 / 嗅球糸球体 / 免疫細胞化学 / 介在ニューロン / 共焦点レーザー走査顕微鏡 |
Research Abstract |
近年の分子生物学的解析から個々の嗅細胞は単一の匂い分子レセプターのみを発現し、同じタイプの嗅細胞が特定の嗅球糸球体に収束して投射することが明らかとなり、嗅球糸球体が匂い伝達における機能的基本単位であることが証明された。我々は、基本単位である糸球体のニューロン、シナプスの構成の解析を進め、従来,嗅球の基本構造とシナプス結合は非常に簡単に考えられてきたが、共焦点レーザー走査顕微鏡を用いた免疫細胞化学法を中心とした形態学的解析から、嗅球糸球体層の介在ニューロンは多様なグループからなることが判明した。 嗅球糸球体層の介在ニューロンは細胞体の化学的性質によりGABA陽性、カルレチニン(CR)陽性,およびカルビンヂン(CB)陽性の3つのグループに分れた。それぞれは全体の細胞の20%、20%、10%であった。さらにそれぞれのグループは、突起の分布状態、特に嗅細胞の軸索との関係について異なっており、著者らは、嗅球糸球体層において従来単一のものと報告されていた傍糸球体ニューロンを、タイプ1、タイプ2の2グループに分類することを提唱した。嗅細胞から入力を受けるタイプ1ニューロンはGABA陽性グループを中心とし、嗅細胞からほとんど入力を受けないタイプ2ニューロンは、CR、CB陽性ニューロンが主体となる。更に、電子顕微鏡による解析からタイプ2ニューロンはGABA系の入力を受けていることが判明しているので、両者の相互作用の存在が示唆された。また、この領域の主要な投射ニューロンである僧帽細胞とのコンタクトもタイプ1、タイプ2ニューロンで差があることが示唆されるデーターを得た。このような解析から、嗅球糸球体内では、従来考えられていたよりはるかに複雑な情報処理が行われていると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.FUJII: "Migration of small and large cells from the grafts of embryonic olfactory bulbs,transplanted into the anterior wall of the lateral ventricle." Neuroscience Research. 27. 29-33 (1997)
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[Publications] K.KOSAKA: "Differentiation of chemically defined neuronal populations in the transplanted olfactory bulb without olfactory receptor innervation." Neuroscience Research. 28. 11-19 (1997)
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[Publications] N.YAMASHITA: "Selective association of S100A6(calcyclin)-immu8noreactive astrocytes with the tangential migration pathway of subventricular zone cells in the rat." Brain Research. 778. 388-392 (1997)
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[Publications] K.KOSAKA: "How simple is the organization of the olfactory glomerulus? the heterogeneity of so-called periglomerular cells." Neuroscience Research. (in press).
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[Publications] K.TOIDA: "Chemically defined neuron groups and their subpopulations in the glomerular layer of the rat main olfactory bulb:III.Structural features of calbindin-D28K-immunoreactive neurons." J.Comp.Neurol.(in press).