1997 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトに特異的な膜内粒子(assembly)の機能解明
Project/Area Number |
09680753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 近畿大学, 医学部, 教授 (10014177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浜 健一 近畿大学, 医学部, 助手 (60281515)
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Keywords | アストロサイト / 水チャネル / アクアポリン4 / プロテインカイネースC |
Research Abstract |
アストロサイトの,脳表面や血管壁と接触する形質膜には,assemblyとよばれる特異的な膜内粒子が存在しており,最近これが水チャネルのひとつであるaquaporin4(AQ4)を含むことが明らかになった.しかしながら,AQ4の調節機構はほとんど未知である.そこで私どもは培養アストロサイトを用いて,プロテインカイネースC(PKC)の活性化剤がAQ4のmRNA発現に与える影響を調べたところ,以下の実験結果を得ることができた. (1)細胞を0.1uMphorbol ester12-O-tetradecanoylphorbol 13-acetate(TPA)で処理すると,AQ4mRNAは時間・投与量依存的に減少した.(2)PKCの阻害剤である1-(5-isoquinoline sulfonyl)-2-methylpiperazin (H7)を加えるとTPAの効果が投与量依存的におさえられた.(3)TPAを長時間(48時間)作用させると,(1)でみられたTPAの効果は失われた.これらの結果は,TPAによるAQ4mRNAの減少はPKCの活性化によることが示唆される.そこでこの作用がタンパク合成を介する反応であるがどうかをみるために,タンパク合成阻害剤であるcycloheximideで細胞を処理したが,影響はなく,またmRNAの転写阻害剤のactinomycinDの効果もなかったことを考慮すると,PKC活性化によるAQ4mRNAの転写の抑制はタンパクの新しい合成を必要とするものでなく起こることが強く示唆された.
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