1997 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体蛋白質のカルボキシ末端に結合する新しい細胞性蛋白質の同定と解析
Project/Area Number |
09680757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
助川 淳 東北大学, 医学部, 講師 (30187687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 輝行 東北大学, 医学部, 教授 (90133941)
助川 泉 東北大学, 医学部, 助手 (00171736)
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Keywords | アミロイド前駆体蛋白質 / アルツハイマー病 / 細胞質内ドメイン |
Research Abstract |
アミロイド前駆体蛋白質(β-Amyloid Precursor Protein : APP)は、その全体の分子構造から細胞表面において機能する何らかの受容体であると推測されているが、その特異的リガンドはもとより、正常細胞における機能については殆ど知られていない。アルツハイマー病患者の脳に見られる老人斑の主要な沈着物であるベータアミロイドペプチド(Aβ)の前駆体であるAPPの本来の生理的機能を明らかにすることは極めて重要である。本研究では、APPの細胞質内ドメインに結合する未知の細胞性蛋白質のcDNAクローニングを行い、その蛋白質の解析を通してAPP分子が担う本来の生理的機能の一端を明らかにしようと試みた。 APPの細胞質内ドメインに相当する47アミノ酸からなるペプチドを酵母のGAL4 DNA結合ドメインと融合させ、いわゆる"ベイト"として使用し、Two-Hybrid法によりヒト由来のcDNAライブラリーのスクリーニングを行った。APPとの相互結合能がin vitro、またヒト培養細胞を利用したin vivoの実験系で確認できた一個のクローンについて、全長cDNAをクローニングし解析したところ、ある種の転写因子と相同な268kDの新規蛋白質をコードすることが明らかとなった。最初にクローニングされた、この蛋白質のカルボキシ末端をコードするcDNAを利用し、APP発現細胞で大量発現させたところ、細胞からのAβ40の分泌量に変化は無かったが、Aβ42の分泌量の減少が認められた。
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