1998 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体蛋白質のカルボキシ末端に結合する新しい細胞性蛋白質の同定と解析
Project/Area Number |
09680757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
助川 淳 東北大学, 医学部, 講師 (30187687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 輝行 東北大学, 医学部, 教授 (90133941)
助川 泉 東北大学, 医学部, 助手 (00171736)
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Keywords | アミロイド前駆体蛋白質 / アルマハイマー病 / 細胞質内ドメイン |
Research Abstract |
本申請研究は、アルツハイマー病の直接的な原因物質の一つとされるアミロイドペプチドの前駆体、APPの生理的機能を解析することを目的としている。前年度にAPPの細胞質内ドメインに結合する新規の細胞性蛋白質、p268の同定、cDNAクローニングに成功しているが、今年度は、このp268とAPPの相互結合反応のより詳しい解析を行うとともに、哺乳動物細胞におけるp268について以下のような知見を得ている。 1. 現在までに報告されているAPP細胞質内ドメイン結合蛋白質は、全てAPP細胞質内ドメインのリン酸化チロシン残基を含むアミノ酸配列を認識するとされているが、p268とAPPの相互結合反応には、このアミノ酸配列は関与しない。 2. APP細胞質内ドメインへの結合には、p268のカルボキシ末端ドメインの広範なアミノ酸配列が関与している。 3. p268には、酵母で報告されているある種の転写因子に相同性が認められるが、ラット由来のp268は、この酵母の蛋白質の温度感受性欠損株の形質を完全には相補しない。 4. p268に対する特異的抗体を使用した蛍光抗体法によると、p268は細胞内で核と細胞質に瀰漫性に分布しており、これは、細胞分画実験による実験結果と矛盾しない。 現在、p268の哺乳動物細胞における高発現系を作成中であるが、この発現系を利用することにより、p268の細胞内での機能、存在様式、また動態を分子生物学、生化学的方法により解析する予定である。
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