1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680782
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
川島 育夫 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40146824)
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Keywords | ガングリオシド / 抗ガングリオシド抗体 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
ラット小脳初代培養中の顆粒細胞や神経様細胞へと分化誘導した細胞に特異発現するガングリオシドGDlb含むb系列ガングリオシドの詳細な細胞内局在を免疫電子顕微鏡法を用い検討を続けた。また、ラット小脳初代培養中のプルキンエ細胞や、未分化の神経細胞株に発現するO-アセチル化ガングリオシドGD3の発現と機能に関しても検討を加えた。 (1)レチノイン酸により分化誘導したP19細胞におけるガングリオシドの局在 新たにビオチン化抗GD1b抗体を作製した。抗GDlb抗体を中心に以下に示す組み合わせで二重染色を行い電子顕微鏡にて観察した。GDlbとGD3の染色は、形質細胞膜上でGD1bとGD3のバッチ状の共存が認められた。細胞内においても一部共存を示す結果が認められた。GD1bとGD2の染色は、GD2の発現が弱いため共存を認めることはできなかった。GD1b/O-Ac-GD3の染色は、O-Ac-GD3の消失を再確認させた。GD1b/ゴルジマーカーの染色では、ゴルジマーカーとして知られているマンノシダーゼIIやゴルジ58Kとの局在と細胞内に存在するGDlbの局在と一部一致した。作製したビオチン化抗GDlb抗体の染色性は未修飾の抗体のものと比べると弱かった。現在、細胞膜マイクロドメインに特異的に局在するいくつかのシグナル分子とガングリオシドGDlbとの会合状況の解析はGDlbの機能をさぐる上で重要と考えられるので、詳細を免疫電顕的にかつ生化学的に解析している。 (2)P19/AGS細胞(O-アセチルガングリオシド合成酵素遺伝子導入細胞株)におけるガングリオシド機能について P19/AGS細胞におけるO-Ac-GD3の発現量は明らかにP13細胞と比較して高かった(免疫細胞化学的にも生化学的にも)。P19/AGS細胞はP19細胞に比較して、レチノイン酸による神経細胞への分化誘導が行きにくいことが判明した。そこで現在神経細胞への分化にO-アセチル化ガングリオシドがどのように関与しているかを検討している。
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[Publications] Tai, T., Kotani, M., and Kawashima, I: "Differential Distribution of Glycosphingolipid Antigens in the Central Newcus System"Acta Histochem. Cytochem.. 32・3. 215-222 (1999)