1997 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエperiodに相同系哺乳類DIALの転写日周リズム生成機構の解析
Project/Area Number |
09680787
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
程 肇 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00242115)
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Keywords | 時計遺伝子 / period / 視交叉上核 / 光誘導 |
Research Abstract |
hPER1及mPer1はそれぞれの染色体上17p12-13.1及11Bにマップされた。hPER1及mPer1cDNAには、それぞれ1290、1291アミノ酸からなるORFが存在し、それらは、92%のアミノ酸配列が一致していた。ホモロジー検索の結果、両PER1は、5つの領域においてPERと強い相同性を示した。それらは、N末側から、1)核移行シグナル、2)PASドメイン、3)細胞質局在シグナル、4)PER-C領域(機能不明)5)SGリピート(PERではTGリピート)である。以上の事実から、hPER1及mPer1はperの構造ホモログであり、これらは、ヒトとマウス間で保存されていることが明らかになった。また、in situ hybridizationにより、mPer1のマウス脳内での発現パターンを解析したところ、概日時計の存在するSCNで強い発現が検出された。明暗及恒暗条件下でのSCNにおけるmPer1の発現には、昼高く夜低い明確な日周リズムが見い出された。両条件下での夜と昼の転写物量の比は約3倍であった。mPer1が転写レベルで自由継続リズムを刻むことは、PER1が時計分子として機能することを強く示唆している。一方、SCNでのmPer1の転写は暗期において、一回の光パルス照射により一過的に誘導された。しかも、転写誘導の必要な光量は、行動の位相変化に必要な光量に一致した。即ち、Per1の発現は自律的な日周リズムの形成に重要なだけではなく、概日性時計の光応答能にも深く寄与していることが推察された。また、SCNのmPer1mRNAの日周リズムの位相は、この領域の神経活動のそれと一致した。ゆえにmPer1の転写リズムはSCNニューロンの制御因子として機能すると考えられる。よって、概日リズム形成の分子レベルでの解明には、Per1の転写リズム機構の解析が必須であると結論できる。
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[Publications] Hieshima,K., Tei,H., et al.: "Ploleiuler Cloning of a Novel Human CC chemokine:Liver and Adimation-regulation regulatal Chemoline Expresed in Liver" J.Biol.Chem.272. 5846-5853 (1997)
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[Publications] Tei,H., et al.: "Circadian oscillation of a mammalian homologue of the Drosephila period gene" Nature. 389. 512-516 (1997)
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[Publications] Shigeyoshi,Y., Tei,H., et al.: "Light-induced resetting of a mammalian circadian clock is associated in the repid induction of a Pool transcript" Cell. 91. 1043-1053 (1997)