1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680805
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
南部 篤 (財)東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 副参事研究員 (80180553)
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Keywords | 大脳基底核 / 視床下核 / 淡蒼球 / 一次運動野 / 直接路 / 運動制御 / サル / 電気生理学 |
Research Abstract |
昨年度は、サルの視床下核をムシモルでブロックすると、大脳皮質一次運動野の刺激によって淡蒼球で観察される興奮性の応答が消失することを報告した。その際、淡蒼球ニューロンの自発活動にも変化が見られた。本年度は、この変化に着目して解析を行った。ムシモル注入後、視床下核の自発活動は速やかに抑制されるが、それに伴って、淡蒼球ニューロンの自発活動が減少し、発射パターンも変化した。淡蒼球外節のニューロンは、時々休止時期を持つ高頻度発射を示すが、視床下核ブロックによって休止期間が長くなり、発射活動がグループ化した。また淡蒼球内節のニューロンは連続した高頻度発射を示すが、視床下核ブロックによって休止時期を持つようになった。以上の結果は、視床下核-淡蒼球投射が、淡蒼球ニューロンの発射頻度や発射パターンに重大な影響を与えていることを示唆する。 また、大脳基底核の別の入力部である線条体を介する経路との機能を較べる手始めとして、大脳皮質一次運動野から視床下核への投射と、大脳皮質一次運動野から被殻への投射について、サルを用い電気生理学的に調べた。一次運動野を電気刺激したところ、前者の潜時が主に2〜6ミリ秒であるのに対し、後者の潜時は8〜10ミリ秒であった。このことは、大脳皮質-視床下核投射が、線条体を介する直接路や間接路に較べて速い経路であることを示している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tokuno H,Ikeuchi Y,Nambu A,Akazawa T,Imanishi M,Hamada I,Hasegawa N: "A modified microsyringe for extracellular recording of neuronal activity." Neuroscience Research. 31. 251-255 (1998)
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[Publications] Takada M,Tokuno H,Nambu A,Inase M: "Corticostriatal input zones from the supplementary motor area overlap those from the contra-rather than ipsilateral primary motor cortex." Brain Research. 791. 335-340 (1998)
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[Publications] Takada M,Tokuno H,Nambu A,Inase M: "Corticostriatal projections from the somatic motor areas of the frontal cortex in the macaque monkey: segregation versus overlap of input zones from the primary motor cortex, the supplementary motor area, and the premotor cortex." Exprimental Brain Research. 120. 114-128 (1998)
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[Publications] 南部 篤: "Parkinson病の病態生理" 医学のあゆみ. 186. 9-13 (1998)