1998 Fiscal Year Annual Research Report
グラヤノトキシンと関連生物毒の特性を利用したNaチャンネルの新しい分類の試み
Project/Area Number |
09680814
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬山 一正 広島大学, 医学部, 教授 (70034006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 英司 広島大学, 医学部, 助手 (80304418)
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Keywords | グラヤノトキシン / ナトリウムチャンネル / アイソフォーム / 活性化ゲート / 不活性化ゲート / テトロドトキシン感受性ナトリウムチャンネル / 不感受性 / 心筋ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
Na^+チャネルは発現場所により構造的に差異がある事が判り、これを反映してTTXに対する感受性の差とかゲート機構の動きの差が明らかになって来た。 グラヤノトキシン(GTX)がNa^+チャネルを修飾すると、活性化機構を50mV以上過分極方向へ移動させる。この特性を利用して現在未知なチャネル膜電位感知機構を明らかにする端緒をつかむためこの実験は企画された。色々なNa^+チャネル間でGTXに対する感受性の差があればキメラを構成する事によりGTXの作用部位の特定が可能となるからである。そこで、蛙の心筋と脊髄後根神経節TTX感受性(TTXs)及び非感受性(TTXi)Na^+チャネル間でGTXによる作用差の有無を明らかにする試みを行った。GTXによりNa^+チャネル修飾を引き起こすためには、保持電位-120mVから-20mVに達する持続4ミリ秒の短形波を1000〜3000回与える必要がある。修飾されたNa^+電流(I_<Na>)は-90mV辺りから発生し逆転電位は正常Na^+チャネルと大凡一致した。各Na^+チャネルの細胞当たりの発現数は異なるので、GTX作用下の膜伝導度を正常時の最大膜伝導度を用いて標準化した。TTXi Na^+チャネルについてのみ用量-作用曲線の作成が可能であった。EC_<50>と最大比膜伝導度はGTXIについて31μMと0.03でα-H_2-GTXIIについては41μMと0.41であった。その他のNa^+チャネルの感受性は著明に低かった。この差が何によるのか後根TTXiと心筋のNaチャネルで単一チャネル記録法を用いて調べた。開口確率と相対膜伝導度において二つのNa^+チャネル間に差が無かった。従って、GTXに対する感受性の違いは修飾されるNa^+チャネル総数による事が解った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Furue,T.: "Characteristics of two slow inactivation mechanisms and their influence on the sodium channel activity of frog ventricular myocytes." Pflugers Arch.436(5). 631-638 (1998)
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[Publications] Yamaoka,K.: "Phosphorylation modulates L-type Ca channels in frog ventricular myocytes by changes in sensitivity to Mg^<2+> block." Pflugers Arch.435(3). 329-337 (1998)