1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 純正 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80183812)
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Keywords | 睡眠覚醒 / 逆説睡眠 / 神経生理学 / コリン作動性ニューロン / 脳幹 / 外背側被蓋核 |
Research Abstract |
我々は、睡眠・覚醒を繰り返す無麻酔動物で脳幹のコリン作動性ニューロンの活動を記録して、REM睡眠の導入維持にこのニューロンが重要な役割を果たしていることを示した世界で3つしかない研究グループの1つであり、その中でもコリン作動性ニューロンとノルアドレナリン作動性ニューロンが混在していないラットで記録する技術を持った世界でただ1つのグループである。そのコリン作動性ニューロンはスパイクの幅が他のニューロンよりも広いことで識別できることをさまざまな根拠から示してきたが、上記の他の追随を許さない技術を持つことに対する怨嗟を持つとしか思えない人達が少数いて、その人達はそのスパイク幅によるコリン作動性ニューロンの同定を認めようとしなかった。そこで私達は今回の研究課題のうちの神経機構についての基礎を固めるために、単一ニューロン活動を記録したニューロンを電極内に入れたneurobiotinでマークし、そのneurobiotinを発色させた標本をNADPH-diaphorase組織化学法で二重染色して、幅の広いスパイクを発する外背側被蓋核ニューロンはコリン作動性であり、幅の狭いスパイクのニューロンは非コリン作動性であることをみごとに示すことができた(Neuroscience,1998)。 この一方で、液性機序に関する研究の方は大きな壁にぶつかって、方法論からの検討をせまられている。すなわち、当初の計画では考えうる液性因子(prolactin等)を第4脳室に挿入したカテーテルを通して注入することにしていたが、何匹ものラットでの予備実験で、第4脳室に確実に効率よくカテーテルを挿入することはほぼ不可能ということがわかった。そのため、多連電極を用いて空気圧による射出を行うべく、そのための機械を手配してセットしているところである。この研究は2年目に待たざるを得ない。
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[Publications] Hiroki Watanabe: "Physiological background of enuresis type I.A preliminary report." Scand.J.Urol.Nephrol.vol.31 suppl.183. 7-10 (1997)
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[Publications] 香山雪彦: "脳内自律神経系としての脳幹汎性投射系:睡眠・覚醒調節についての視索前野との関係" 自律神経. 34巻3号. 234-238 (1997)
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[Publications] Yoshimasa Koyama: "In vivo electrophysiological distinction of histochemically-identified cholinergic neurons using extracellular recording and labeling in rat laterodorsal tegmental nucleus." Neuroscience. vol.83. 1105-1112 (1998)
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[Publications] 小山純正: "睡眠の神経生理学的機構" 日本臨床. 56巻2号. 318-326 (1998)
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[Publications] 香山雪彦: "睡眠覚醒の神経機構" 『最新脳と神経科学シリーズ』第10巻「睡眠とその障害」. (印刷中). (1998)
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[Publications] 香山雪彦: "麻酔と脳波・誘発電位" 臨床脳波. (印刷中). (1998)