1997 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類海馬オ-タプスにおけるシナプス小胞開口放出の分子機構と修飾作用の解明
Project/Area Number |
09680819
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
山口 和彦 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191221)
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Keywords | シナプス / 開口放出 / シンタキシン / オ-タプス / フォルスコリン / 海馬神経細胞 / 歯状回顆粒細胞 / cyclic AMP |
Research Abstract |
(1)シンタキシンの抑制的相互作用部位の探索:シナプス前膜蛋白質シンタキシンは活性ゾーンにおいてシナプス小胞をCaチャネル近傍にドックさせるのに中心的な働きをしておりシナプス開口放出に必須と考えられている。一方、Ca流入が生じるまでは開口放出は抑制されている。「シンタキシン分子内に開口放出促進ドメインと抑制ドメインがある」という仮説を検証するために、シンタキシンの部分合成ペプチドをホールセルパッチピペットを用いて細胞内に投与し、興奮性シナプス電流振幅に及ぼす効果を検討した。培養海馬神経細胞において孤立神経細胞の形成する自己回帰性シナプス(オ-タプス)に20アミノ酸残基からなる数種類の部分合成ペプチドを適用したところ、N末端側の部分ペプチドにより開口放出の増大が見られた。開口放出抑制ドメインの部位についてさらに詳細な検討をしている。 (2)オ-タプス開口放出の長期増強:海馬CA3領域における苔状線維末端部はcyclic AMPを介してシナプス前性の長期増強を示す。歯状回顆粒細胞を培養しオ-タプスを作らせcAMPによる開口放出の増強をホールセルクランプ法により検討した。Forskolin投与によりcAMP濃度を上昇させると興奮性シナプス電流(epsc)振幅が増大した。このepsc振幅の増大はシナプス前末端部からの開口放出の増加であることがペアドパルス解析法から示唆された。非同期型epsc振幅分布の分析結果もこれを支持した。外液Ca濃度を0.5から4mMに増加させるとepsc振幅、ペアドパルス振幅比は対応して変化した。これらの関係から定量モデルを作り放出確率を推定した。Forskolinによるepsc増強をペアドパルス法により解析したところ放出確率の上昇が生じていることが強く示唆された。詳細な分子機構について検討を続けている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nagamatsu S: "Overexpressed syntaxin 1A/HPC-1 inhibits insulin secretion via a regulated pathway,but does not influence glucose metabolism and intracellular Ca^<2+> in insulinoma cell line βTC3 cells." Biochemical and Biophysical Research Communications. 231. 89-93 (1997)
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[Publications] Fujiwara T: "Interaction of HPC-1/syntaxin 1A with the cytoskeletal protein,tubulin." Biochemical and Biophysical Research Communications. 231. 352-355 (1997)
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[Publications] Yamaguchi K: "Enhancement of synaptic transmission by HPC-1 antibody in the cultured hippocampal neuron" NeuroReport. 8. 3641-3644 (1997)
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[Publications] 藤原智徳: "開口放出関連タンパク質HPC-1/syntaxin 1Aの機能解析." 実験医学. 15. 1614-1618 (1997)
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[Publications] 山口和彦: "神経伝達物質放出のメカニズム." Clinical Calcium. 8. 200-202 (1998)