1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680824
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 悟史 久留米大学, 医学部, 助手 (60220464)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
|
Keywords | グリア細胞 / アストロサイト / 培養細胞 / Na,K-pump / パッチクランプ / 脳虚血 |
Research Abstract |
新生ウイスターラットの大脳皮質より酵素を用いてグリア細胞(アストロサイト)を単離し、約1カ月培養を行った。グリア細胞間のギャップ結合の影響をなくすために、実験2-3日前に再度酵素的に単離・培養し、ニスタチン穿孔パッチクランプ法でNa,K-pump電流(Ip)を測定した。細胞内Na^+存在下、細胞外K^+濃度を高速灌流液交換法(Yチューブ法)を用いて急速に増加させることによってIpが誘起された。Ipのイオン感受性、薬理学的性質、膜電位特性について調べたところ、以下の知見を得た。 1.Ipは細胞内(電極内)Na^+存在下に細胞外K^+濃度依存性に活性化された。その活性化曲線は0.1mMより始まり、5mMでほぼ最大に達し、さらに高濃度のK^+を作用させてもIpの増加は認められなかった。K_d値とHill係数は0.8mMと1.7であった。 2.細胞内(電極内)Na^+非存在下においても細胞外K^+添加によってIpは発生したが、細胞内(電極内)Na^+存在下のそれに比べ大きさは小さかった。また、細胞外Na^+を除去するとIpは消失し、細胞外からのNa^+流入がIp活性に寄与していること、さらに、このNa^+流入にはテトロドトキシン非感受性の非不活化型Na^+電流が関与していることがわかった。 3.細胞内(電極内)Na^+存在下に細胞外Na^+を除去すると、K^+添加によるIpの活性化は著明に増大し、その活性化と脱活性化に至る時間経過も変化した。 4.特異的阻害薬ウワバインはIpを濃度依存性に抑制したが、完全抑制には高濃度(10mM)を要し、ウワバイン低感受性アイソフォームの存在が考えられた。 5.Ipは過分極側で減少、脱分極側で増大したが、0mV付近よりプラトーとなり、それ以上の電流の増大は認められず、電流-電圧曲線はS字状を示した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yamamoto,S.: "External Na regulates the activation of Na,K-pump current expressed in cultured astrocytes." Neuroscience Research.Suppl.21. S24 (1997)
-
[Publications] 山本悟史: "脳機能の解明-21世紀に向けて-" 九州大学出版会, 615 (1998)