1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680824
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 悟史 久留米大学, 医学部, 助手 (60220464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
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Keywords | グリア細胞 / アストロサイト / 培養細胞 / Na,K-pump / パッチクランプ / 脳虚血 |
Research Abstract |
目的:脳虚血時には細胞外グルタミン酸濃度が著明に増加する。これに伴い、NMDA受容体活性化と細胞内Ca濃度上昇が生じ、神経細胞死が発生するといわれている。本年度は虚血時におけるグリア細胞のNa,K-pump(NKP)の働きを調べる目的で、グルタミン酸存在下におけるNKP機能について検討を行い以下の知見を得た。 方法:新生ウイスターラットの大脳皮質より単離したグリア細胞(アストロサイト)を約1カ月間培養後、ニスタチン穿孔パッチクランプ法を用いてNKP電流(Ip)を測定した。 結果:1.グルタミン酸をY-tubeを用いて急速投与すると、殆どの細胞で立上りの速い内向き電流が誘起され、持続投与により緩やかな脱感作が観察された。2.グルタミン酸誘起内向き電流はNMDA受容体阻害薬AP5とnon-NMDA受容体阻害薬CNQXによって約50%が抑制された。3.Ipはグルタミン酸の存在下においても細胞外Kによって活性化された。4.記録電極内(細胞内)Na濃度([Na]i)が細胞外Na濃度([Na]o)よりも低い場合、Ipはグルタミン酸によって10-15%増加した。なかには、グルタミン酸除去後においてもIp増加を持続する細胞が存在した。5.4で見られたIpの増加は、[Na]iを[Na]oと等しくすることにより消失した。 まとめ:1.グリア細胞にはionotropic型受容体だけでなくmetabotropic型受容体も存在すると考えられた。2.NKP活性は虚血によって増加したグルタミン酸増加によって高まることが示唆され、その機序としてionotropic型受容体チャネルを介した細胞内へのNa流入が考えられた。3.一時的なグルタミン酸増加によってもNKP活性増加が持続し、虚血時に増加する細胞外K除去機構として効率よく働いている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamamoto,S.,Higashi,H.他: "Membrane dysfunction induced by in vitro ischemia in rat hippocampal CA1 pyramidal neurons."Journal of Neurophysiology. 81. 1872-1880 (1999)
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[Publications] Yamamoto,S.,Higashi,H.他: "Membrane dysfunction induced by in vitro ischemia in immature rat hippocampal CA1 neurons."Journal of Neurophysiology. 81. 1866-1871 (1999)