1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いたウマヘルペスウイルス1型感染症の解析
Project/Area Number |
09680833
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
岩井 浤 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (00072405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐澤 力雄 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (70153252)
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Keywords | ウマヘルペスウイルス1 / マウス / モデル |
Research Abstract |
1. CB-17 scidマウスはBALB/cAマウスと同じ遺伝的背景を持ち,T,B両細胞機能不全のため,BALB/cAヌードマウスに代わってEHV-1感染耐過マウスのT細胞を移入するレシピエントとして利用すれば,抗EHV-1免疫における抗体の役割を解析するのに有効であると考えられる.そこで先ずCB-17scidマウス肺におけるEHV-1の増殖性を検討した.4週齢♀のscidマウスに10^5 TCID_<50>/25μlのウイルスを経鼻接種し,1,3,7日目に肺のウイルス価を調べたところ,ヌードマウスは感染後7日でも肺からウイルスが検出されるが,scidマウスでは速やかに肺ウイルス価が低下し,7日目でウイルス陽性のものは1匹もいないという予想外の成績を得た. 2. EHV-1感染モデルとしてscidマウスを利用するには,この非特異的防御機構を抑制する必要がある.そこで非特異的防御因子の一つである肺サーファクタント蛋白の拮抗剤であるメチルα-D-マンノピラノシドをウイルス浮遊液に加えることにより,マウス師におけるウイルス増殖が増強されるか否かを検討したが,増強されることはなかった.また抗マウスNK細胞単クロン抗体を投与したscidマウスにおいてもEHV-1の肺における増殖抑制は影響されなかった.scidマウスの非特異的防御機序が不明の現時点では,モデルとしての利用は不可能と判断された. 3. EHV-1免疫脾細胞パンニング法によりCD4あるいはCD8単独陽性T細胞分画を得ることを試みたが,他細胞の混入が10〜20%あり,抗体の影響なしにT細胞サブセットの働きを調べるにはウイルス特異的なT細胞株あるいはクロンの樹立が必須であると考えられた. 4. 妊娠15〜17日のBALB/cAマウスに10^5 TCID_<50>/25μIEHV-1を経鼻接種すると,胎子の発育抑制,産子数の減少,死産子の増加が観察された.しかし,産子からはウイルスはまったく検出されず,上述の所見はウイルスの直接的影響とは考えられなかった.
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Research Products
(1 results)