1997 Fiscal Year Annual Research Report
補助循環における心室最エラスタンスE_<max>の低侵襲的推定システムの開発
Project/Area Number |
09680841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉澤 誠 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60166931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究科, 講師 (70241578)
阿部 健一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005403)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究科, 教授 (90101138)
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Keywords | E_<max> / 心室最大エラスタンス / 推定 / 低侵襲 / 補助人工心臓 / 心機能 / Ees / 逆問題 |
Research Abstract |
心室の最大エラスタンスE_<max>は補助人工心臓によって補助される自然心臓のポンプ機能を評価するための良い指標となる可能性があり,この量が得られれば補助人工心臓の離脱時期の決定に大きく貢献する.しかし,従来のE_<max>を得るためには心室容積を侵襲的に直接計測する必要があり,これが臨床応用への大きな障害となっていた.本研究では,最近われわれが開発しつつある心室容積を侵襲的に直接計測する必要のないE_<max>推定法の妥当性を,動物実験により検証するとともに,臨床応用可能なE_<max>推定システムを構築することを目的とする. 本年度では,心室容積あるいは拍出流量と心室圧からE_<max>を推定する問題が逆問題として定式化できることをまず明らかにした.すなわち,心室エラスタンスの定義式から導き出される恒等式は,ある一拍の躯出期における相異なる任意の時刻において成立するので,これらの時刻で計測された心室容積あるいは拍出流量と心室圧のデータに依存した複数の独立な方程式が得られる.このとき,心室エラスタンスを時間に関する多項式のような有限個のパラメータで決定される時間関数で表現できると仮定すれば,これらの方程式を連立させることにより未知パラメータを求めることができる.さらに,これらのパラメータが得られれば,これらを元の恒等式に代入することにより,心室容積を計測する場合には収縮末期圧-容積関係を表わす直線の容積軸切片V_Oが,拍出流量を計測する場合には拡張末期容積V_<ed>とV_Oの差V_<ed>-V_Oが,それぞれ拍数単位で連続的に推定可能であることが明らかとなった.またこの方法は,心室圧の代わりに動脈圧を計測する場合にも拡張可能である. 次年度に残された課題は,動物実験によって得られたデータに基づき,従来の方法と比較することにより本方法の妥当性を検討することである.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Makoto Yoshizawa: "Classical but effective techniques for estimating cardiovascular dynamics" IEEE Engineering in Medicine and Biology Magazine. 16・5. 106-112 (1997)
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[Publications] 田中明: "人工心臓用適応制御系の同定能力と安定性の評価" 人工臓器. 26・1. 114-118 (1997)
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[Publications] Makoto Yoshizawa: "Heart Replacement-Artificial Heart 6 (T.Akutsu ed.)" Springer-Verlag, 521 (1998)
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[Publications] 吉澤誠: "挑戦 : 知能化する機械" 養賢堂, 285 (1997)