1998 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾ薄膜素子を用いた呼吸・循環パラメータの無侵襲、無拘束計測法に関する研究
Project/Area Number |
09680843
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Research Institution | Yamagata Univeristy |
Principal Investigator |
新関 久一 山形大学, 工学部, 助教授 (00228123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 嘉巳 山形大学, 工学部, 教授 (30001689)
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Keywords | 在宅モニター / 心弾図 / アプノモニター / 心拍モニター / ピエゾ薄膜 / ピエゾケーブル / ディジタルフィルタ |
Research Abstract |
人口の高齢化、少子化、核家族化が進むにつれ、普段から在宅での健康モニタリングの必要性が唱えられている。在宅において生体信号をモニターする場合、無侵襲であることはもちろんのこと、専門家を要せず、測定、記録が自動的に行われ、かつ無意識下に計測することが望まれる。生体信号を計測するため病院の機器をそのまま導入するのでは専門的な知識が必要になり、一般の人にとって測定は不可能になる。このような観点から本研究では在宅ケアを目的とした無侵襲無拘束オンラインモニターシステムを開発することを目的とした。 フッ化ポリビニリデン(PVDF)を素材とするピエゾケーブルおよびビエゾ薄膜素子を、ベッド上の頭部、胸郭位置、および脚部に配し、無侵襲無拘束でバイタルサインを得る計測システムのプロトタイプを開発した。心拍、胸郭変動及び体動による圧電歪み信号をI-V変換し増幅した後、信号をA/Dサンプリングし、心拍、呼吸、体動情報を得るのに最適なFIR型デイジタルフィルタを設計した。心拍用のセンサは胸部に5〜6チャンネル設定し、それぞれフィルタバンクを通した信号から最適な信号を選択するようにした。抽出した心拍信号の2乗パワーおよび抽出した呼吸信号に閾値を設定することで睡眠時の心拍数と呼吸数を長期に亘ってモニタリングすることができた。今後改良すべき点は、被験者が側臥位になった場合の心拍信号の検出精度の問題であり、センサ配置の密度を変えることなどで対処が可能であれば、本法の価値は高まると思われる。 本法は体表面センサを要せず、センサの自由配置が可能、着衣のまま測定可能なこと、被験者とベッドの相対位置に依存しない、低コストなどの特長を有し、被験者に計測していることを意識させることなく生体信号を検出できる。側臥位での問題点やセンサの自動選択手法が解決されれば、在宅でのアプノモニターやバイタルサインモニターなどの在宅ケア支援の一計測法になることが期待される。
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[Publications] 西崎、新関、高橋、宮本: "圧電ポリマー素子を用いた呼吸、心拍、体動のオンライン計測" 臨床モニター. 第9巻. 56 (1998)
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[Publications] 新関、高橋、宮本: "圧電ポリマー素子を用いたベッドサイド心拍・呼吸・体動モニター" 医用電子と生体工学. 第37巻. 544 (1998)
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[Publications] 新関、高橋、宮本: "ピエゾ薄膜素子を用いた呼吸・循環パラメータの無侵襲、無拘束計測法に関する研究" The Murata Science Foundation Annual Report. No 11. 222-226 (1997)