1997 Fiscal Year Annual Research Report
複合自己相関法を用いた組織弾性率三次元計測による超音波触診システムの開発
Project/Area Number |
09680844
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
椎名 毅 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (40192603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 映 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90150614)
|
Keywords | 超音波生体計測 / 組織弾性率 / 超音波による触診 / 三次元計測 / 自己相関法 / 医療診断システム / 実時間処理 |
Research Abstract |
癌や肝硬変などの組織変性を伴う疾患では、形態的変化を生ずる前の初期の段階で組織の硬さ(弾性率)の変化から診断できる場合が多い。このため、超音波を用いて、医師が触診で探るようにプローブを用手的に体表に押し当てるだけで、弾性率分布画像が定量的に得られれば、様々な疾患の診断技術の向上に貢献するものと考えられる。本研究では、超音波反射波から実時間でより性格な3次元の弾性率分布を求める手法を検討し、さらに基礎的な計測システムを開発することを目的とする。このため、本年度は以下の点について研究した。 【3次元歪み分布計測法の開発】 弾性率分布を得るには、一般に応力分布と歪み分布を測定する必要がある。本年度は、これまでに開発した3次元血流速度計測法と複合自己相関法を組み合せ、体表から圧力を加えた際に生ずる3次元の組織歪みベクトルを超音波エコーより測定する手法を検討した。また、組織歪み計測に適したプローブの条件(パルスの比帯域、ビーム幅、プローブの形状等)、圧力付加と信号取り込みのタイミングなどについて、理論面的検討を行った。 【基礎実験システムによる3次元歪み分布計測】 前記で得られた検討結果をもとに、組織歪み分布を計測するための基礎実験システムを製作した。また、ゼラチンをベースとして、種々の弾性率分布を持たせた組織ファントムや、生体組織片を用いて計測し、実験結果と理論的考察との比較検討を行った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 新田尚隆: "Combined Autocorrelation法を用いた乳房腫瘍の弾性特性の画像化" Journal of Medical Ultrasonics. 24巻,9号. 496-496 (1997)
-
[Publications] 椎名 毅: "重み付き位相勾配法による3次元速度ベクトル計測法" 電子情報通信学会技術報告. US97-70. 63-67 (1997)
-
[Publications] 新田尚隆: "超音波によるリアルタイム組織歪み計測法の検討" 医用電子と生体工学. 35巻秋期特別号. 96-96 (1997)
-
[Publications] 椎名 毅: "Combined autocorrelation法による組織歪み分布計測" Journal of Medical Ultrasonics. 24巻,3号. 343-343 (1997)
-
[Publications] 新田尚隆: "重み付き位相勾配法による三次元速度ベクトル空間分布の実時間計測" 第18回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 239-240 (1997)