1998 Fiscal Year Annual Research Report
自律顎運動シミュレータによる開閉口運動における側頭筋機能の解析
Project/Area Number |
09680850
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 豊彦 新潟大学, 工学部, 教授 (40126446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 好秋 新潟大学, 歯学部, 教授 (80115089)
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Keywords | 顎運動 / 自律ロボット / 開閉口運動 / 筋アクチュエータ / 側頭筋 / インピーダンス制御 / 垂直的下顎位 / 咬筋 |
Research Abstract |
ヒトの顎運動の制御メカニズムを解明するアプローチの一つに,ロボットを用いて顎運動をシミュレートする方法がある.我々は,ヒトに近い解剖学的構造をもつ顎運動シミュレータの本体に咬筋,外側翼突筋,顎二腹筋アクチュエータを設置し,自律開閉口動作をシミュレータした.本年度の研究では,さらに側頭筋前部アクチュエータを追加し,自律開閉口動作を実現した.次に研究手順を示す:1)側頭筋前部に相当する筋アクチュエータを製作した.駆動にはエンコーダ付きのDCサーボモータを用い,ワイヤ張カセンサを組み込んだ.設計は従来の筋アクチュエータと同様とした.2)設計したアクチュエータを制御用コンピュータとインターフェイスを介してロボットに装着した.3)開閉口運動時における側頭筋前部と咬筋の活動について調べるため,実際に筋電図を測定した.4)3)の調査結果に基づき,アクチュエータの駆動信号を決定した.具体的には,従来,咬筋アクチュエータが行っていた閉口時の垂直的下顎位の位置制御を側頭筋前部アクチュエータで行うようにした.一方,咬筋アクチュエータは,強いかみしめ力を発生させるように咬合時のみで活動するように変更した. 完成したシステムを用いて実験し,次の結果を得た.我々が開発した6自由度顎運動測定システムJKN/1を用いて運動を測定した結果,垂直的下顎位は,側頭筋前部によって位置制御されていることが明らかとなった.
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[Publications] 林豊彦,山田好秋,他: "自律顎運動シミュレータJSN/1Dを用いた開閉口運動における水平的下顎位の制御メカニズムの解析" 医用電子と生体工学. 35巻特別号. 214 (1997)
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[Publications] 田中澄江,林豊彦,他: "自律顎運動シミュレータJSN/1Dの開閉口運動における側頭筋アクチュエータの制御" 医用電子と生体工学. 35巻特別号. 542 (1997)
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[Publications] 池津正人,林豊彦,他: "自律顎運動シミュレータJSN/1Dにおける開閉口運動の適応制御機構" 電子情報通信学会 技術研究報告. MBE97-7. 45-52 (1997)
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[Publications] 田中澄江,林豊彦,他: "自律顎運動シミュレータJSN/1Xの開閉口運動における外側顎突筋と側頭筋アクチュエータの協調動作" 電子情報通信学会 技術研究報告. MBE-97-119. 59-66 (1997)
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[Publications] 林豊彦,山田好秋,他: "顎運動シミュレータJSN/1Dの開発と自律開閉口運動の制御" バイオメカニズム学会編バイオメカニズム14. 149-160 (1998)