心臓不整脈の非線形力学モデルに関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09680860
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kitasato University
• Principal Investigator: 池田 憲昭 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30050660)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 竹内 昭博 北里大学, 医学部, 助教授 (20163371) ; 宮原 英夫 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20010150)
• Keywords: 不整脈 / 非線形力学 / 位相反応曲線 / 房室ブロック / 変調副調律モデル / 房室伝導曲線

Research Abstract

本研究は、心筋細胞の外部刺激に対する非線形応答特性に基づき、心臓における異常リズム(不整脈)の生成メカニズムをモデル化し、その数学的特性を明らかにすることを目的とする。最終的な目標は、これらの非線形モデルに基づき、心拍制御のメカニズムの解明と致死的不整脈診断への応用を目指すものである。
コンピュータ制御による電気刺激・データ収集装置を用いて、犬心筋における房室伝導曲線(AVRC)の測定を行なった。測定した各AVRCはコンピュータのファイルの形で蓄積し、指数関数曲線をあてはめて特徴づけのためのパラメータ値を得た。
実験で得られたAVRCのさまざまなパターンをコンピュータモデルに入れ、実験時における心拍依存性の心電図パターン変化とモデルシミュレーション結果とを比較検討した。
ここまでに開発した不整脈モデルを現実の臨床心電図にあてはめる研究を行った。
次の2つのカテゴリの不整脈を対象として、心筋位相反応曲線(PRC)の実在を証明する試みを行った。
(1)完全房室ブロック症例を用いて下位ペースメーカPCRの推定と統計的評価を行った。対象として獨協医大越谷病院で得られた臨床データを用いた。
(2)多くの文献に報告された心室性副収縮あるいは副調律の臨床心電図データを対象として、モデルパラメータを推定し、変調副調律モデルにより不整脈心電図がどこまで解釈できるかを検討した。
以上の結果を論文(Ikeda N 他:Methods Inform Med 36:286-289,1997)として報告した。

Research Products

• [Publications] 池田憲昭 他: "Arrhythmia Curve Interpretation using a dynamic system model the myocardial pacemaker" Method of Inf Med. 36. 286-289 (1997)
• [Publications] 池田憲昭 他: "Phase-resetting property of the conduction pathway as a basis for the model of atrioventricular block :" Proc ISCE '97. (1997)
• [Publications] 池田憲昭 他: "Interpretation of arrhythmia by using a dynamical system model based on the phase response curve of the myocardial pacemaker" Proc of 2nd IMIA-IFMBE Int WS on Biosignal Interpretation. 95-98 (1996)
• [Publications] 池田憲昭: "不整脈生成の力学系モデル" BME. 9(10). 60-71 (1995)
• [Publications] 高柳 寛 他: "Forward and inverse solution of the electrotonic modulation in "complete" atrio-ventricular block" Jpn Heart J. 35(Suppl). 521-522 (1994)
• [Publications] 池田憲昭: "Model of rate-dependent property in myocardial tissues as a useful algorithm for the PC-based arrhythmia generator" MEDINFO '95. 729-732 (1995)