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1997 Fiscal Year Annual Research Report

明末四大名家の思想的研究

Research Project

Project/Area Number 09710013
Research InstitutionThe Eastern Institute

Principal Investigator

岩城 英規  (財)東方研究会, その他部局等, 研究員 (30280655)

Keywords戒体論 / 心法戒体説 / 五重玄義 / 心地 / 自性清浄 / 経体
Research Abstract

本(平成9)年度は、明末四大名家の一人、藕益智旭の心性論に関し、戒律思想における戒体論の面から考察した。
まず基礎作業として、智〓から智旭に至る中国天台諸師の戒体論の変遷を考察した。その結果、智〓が「心法戒体説」と「色法戒体説」という矛盾する二説を述べたことにより、戒体論の問題から発生し、歴代の諸師はこの二説の矛盾を解決する必要性に迫られ、仁岳が初めて統合的解釈に成功して以降、諸師は心法戒体説を優位に置きながら、さまざまな統合的解釈を試みたという思想史における流れを確認した。
以上のような戒体論の歴史を踏まえた上で、智〓の『菩薩戒疏』及び智旭の『梵網経玄義』・『梵網経合註』を分析した結果、次のようなことが判明した。
『菩薩戒疏』が「三重玄義」を用いて『梵網経』を解釈し、その一つ「出体」において「色法戒体説」を述べるのに対し、『梵網経玄義』では「五重玄義」を用い、『菩薩戒疏』の「色法戒体説」を「宗」に属するものとし、自性清浄・無犯無持・無得無失である「心地」を『梵網経』の「経体」として、「心法戒体説」が優位に立つ形での両者の統合的解釈を行っている。
以上より、智旭は『梵網経』解釈において天台教学を採用するものの、その戒体論には、如来蔵自性清浄心説に基づく「心地」の重視という特徴が見られることを解明した。
この解釈の背景には、「禅」、『首楞厳経』、「陽明学」といった己心重視の唯心主義が当時の思潮としてあり、これらに影響された天台教学の実質的な「山外派化」も、智旭の天台思想に大きな影響を与えたことが推測される。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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