1998 Fiscal Year Annual Research Report
単漢字認知と大脳半球機能分化:左半球の役割を中心に
Project/Area Number |
09710055
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 敦子 名古屋市立大学, 人文・社会学部, 助教授 (90188889)
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Keywords | 漢字 / 大脳半球機能分化 / 注意 / 意味プライシング |
Research Abstract |
単漢字の部分読み(例えば“然"をイヌと読む)に関して,健常者を対象に,一側視野提示による形態的,意味的プライミング実験を行った. 手続き:手続き:各試行では,視野中央に注視点,プライム(以下P)が提示された後,左右の視野にランダムにターゲット(以下T)が提示された.被験者は,実験中は視野中央を凝視し,Pの部分漢字(例えばP“凍″の“東")に注意を払った後,Tに対して.正しい漢字であるか否かの判断をボタン押しによってできるだけ速くかつ正確に行うよう求められた.注視点の提示時間は300ms,Tの提示時間は150msで,Pの提示時間は実験1では250ms,実験2では350msであった. 刺激:PとTの関係は,global下位条件として,TがPと同一である条件(例えばP“凍"に対してT“凍"),TとPに意味的関連がある条件(例えばP“凍"に対してT“氷")を,local下位条件として,TがPの部分漢字と同一である条件(例えばP“凍"に対してT“東"),TとPの部分漢字に意味的関連がある条件(例えばP“凍"に対してT“南")の4種類を設けた.中立条件として,P“々"の後,Tを提示した.YES条件160試行のうち,global条件を40試行,local条件を80試行,中立条件を40試行とした. 結果:部分漢字の形態的プライミング効果に関し,P提示時間が長くなると,左半球においてより効果が生じる可能性が示唆された。部分漢字の意味的プライミング効果は,本実験のいずれの条件においても有意に認められなかった。
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