1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09710069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早坂 浩志 東北大学, 文学部, 講師 (00261553)
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Keywords | 慢性疼痛患者 / 慢性関節リウマチ患者 / 疼痛行動尺度 / 精神的健康 / 心理的支援プログラム |
Research Abstract |
(1)Vlayenら(1987,1990)の尺度をもとに、看護婦の観察によるRA患者の疼痛行動のチェックリストを作成し、その信頼性と妥当性を検討した。 対象は入院中のRA患者22名。各患者の一日の疼痛行動24項目を担当看護婦が5段階で評価した。評価期間は月〜金の5日間。評価された24項目の疼痛行動は、クラスター分析によって痛みの訴え・不安・抑うつ・不自然な動作に分類され、これはVlayenらの結果とほぼ一致した。今後は、RAの病態や治療効果との関連、他の疼痛、心理尺度との関連の検討が必要である。 (2)本研究の予備段階として,研究代表者が1992年に慢性関節リウマチ患者142名に実施した質問紙調査のデータを利用して,痛み(5段階尺度),日常生活動作(ADL)10項目,自己評価式抑うつ尺度(SDS)19項目の3者の関連を共分散構造分析を用いて検討した。 共分散構造分析によるパス解析では,多くの患者は痛み→抑うつ性増加→活動性低下→痛みの増強という悪循環を経験していることが明らかになったが,悪循環の方向は羅患年数によって異なる可能性も示唆された。今後は,より多くのデータ収集をとおして,他の要因も考慮に入れたより正確なモデルを形成していく必要がある。
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