1998 Fiscal Year Annual Research Report
活動を通して体験する科学学習の効果について-活字・映像による学習との比較-
Project/Area Number |
09710089
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青木 多寿子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10212367)
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Keywords | 科学学習 / 活動 / 学習効果 / 映像 / 活字 / 科学センター |
Research Abstract |
本研究は、近年各地に設立されている体験型科学センターを利用し、体験による学習、映像で学ぶ学習、活字で学ぶ学習では、学習がどのように違ってくるかを検討した。 平成9年度では、約200人の大学生に体験型科学センターを訪問して記入してもらった自由記述のアンケートをベースに質問紙を作成した。質問紙は、上記の3つの違いを反映できると予測できる5段階評定の12項目とした。 平成10年度は、この質問紙を用いて、大学生に科学センターで、体験型学習3課題、映像型3課題に取り組んでもらい、アンケートに答えてもらった。活字群は、科学センターの機材の解説を活字と挿し絵で解説した文章を提示し、それを読んで同じ質問に答えてもらった。 各項目ごとに、体験型、視聴覚型、活字型を比較する分散分析を行った。その結果、視聴覚型の学習は、活字による学習と比較すると「どうしてだろうなどど考えた」「なるほどと納得した」「自分はよく学んだと思う」「すごいと思った」「驚いた」という項目が有意に高かった。また、活字型の学習と体験型の学習の比較では、上記の視聴覚型で高かった項目にと加えて「楽しかった」「進んで取り組む気が起きた」「どんな結果がでるかわくわくした「もっと深く調べたくなった」という項目が有意に高かった。つまり、体験型の学習では、視聴覚型の学習効果に加えて、楽しいと思う気持ち、わくわくする気持ち、進んでやりたくなる気持ち、もっと調べたくなる気持ちなど、学習に前向きに取り組む気持ちを起こさせることが伺えた。逆に言えば、活字型、映像型の学習では、学習に前向きに取り組む「気持ち」が生じにくいことを意味している。本研究から、体験型学習を組む際には、学習に前向きに取り組む気持ちを生じさせる教育効果をねらったらよいことが示された。
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