1997 Fiscal Year Annual Research Report
学習を促進させる発問の性質-自然認識における論理操作を促す発問の効果-
Project/Area Number |
09710097
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 講師 (60254819)
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Keywords | 概念モデル / ル・バ- / 素朴概念 / 発問 / 電流概念 / 動物概念 / 既有知識 |
Research Abstract |
本研究は電気回路や動物概念等の科学的概念を題材として、論理操作を加えた発問の違いによる学習の様相の変化について明らかにすることが目的である。以下、本年度明らかとなったことがらを述べる。 1.実験I 電気回路について 回路中の電流の流れに関する理解に関して、発問の違う2郡を設け、232名の大学生に対して調査を行った結果、(1)直流回路では、過半数の学生が正しい回答をしたが、この直流回路の回答に関わらず、交流回路では回答が分かれ、反応が一貫した学生は多くなかった。 (2)「自分の都合のよい」回答を選択するように求める郡では、電気回路に関してより知識のある学生の方が、そうでない学生よりも一貫した回答をする者が多かった。 (3)「正しい」回答を選択するように求める郡では、電気回路に関してより知識の乏しい学生の方が、そうでない学生よりも一貫した回答をする者が多かった。 これらから、既有知識の有無により、自らの反応の一貫性を保ちうるために有効な発問形態が異なりうる可能性が示唆された。さらに、別の大学生に対して学習教材文を作成し、調査を実施した結果を分析中である。 小学生に対する学習プラン(テキスト)は、選択・開発した教材等の実践上の問題は見られなかった。10年度はテキストを上記結果をふまえた発問に再編成し、実施する予定である。 2.実験II 動物概念について 教材用VTR素材を収集・編集中である。10年度に完成した教材を用いて教育的実験調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)