1998 Fiscal Year Annual Research Report
心身障害児をきょうだいにもつ中高生の障害の受けとめ方、ストレス状況と親子関係
Project/Area Number |
09710114
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Research Institution | Osaka Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
立山 清美 大阪府立看護大学医療技術短期大学部, 医療技術短期大学部, 助手 (70290385)
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Keywords | 心身障害児 / きょうだい / 障害受容 / ストレス / 親子関係 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心身障害児をきょうだいに持つ健常児に関して(1)発達過程での同胞の障害の受け止め方・位置づけ、(2)同胞が障害を持っていることによるストレス、(3)親子関係の特徴、(4)同胞の障害属性との関係を明らかにすることである。母親・きょうだい各々20名への面接調査と質問紙調査を実施した。質問紙調査は、400部の質問紙を配布し、きょうだい用270部、母親用284部の回答を得た。心身障害者の平均年齢は16.2歳で、障害属性別には知的障害児・者54.5%、肢体不自由児・者45.5%だった。きょうだいの平均年齢は17.8歳であった。きょうだいの障害の受け止め方は、4〜5歳から気づき始め、母親の受容過程に比べると自然と受け止める傾向にあった(平成9年度報告書参照)。また、将来つきたい仕事は肢体不自由児のきょうだいで47.4%、精神発達遅滞児のきょうだいで32.2%が同胞と関係していると回答した。 きょうだいのストレス兆候は、夜尿が長く続いた14.1%、爪噛み10.5%、不登校5.4%、円形脱毛2.9%などであった。母親はその要因として、幼少期にスキンシップが不足したことや障害児を優先させてしまったことなどをあげた。同胞のことで嫌だったこととして、肢体不自由児のきょうだいでは、留守番・外出制限、精神発達遅滞児のきょうだいでは、留守番・物を壊されること・友達の前で恥ずかしい経験をしたこと等であった。 親子関係の特徴としては、対象が質問紙への調査に協力できるようなきょうだいだったこともあり、「長期的には、障害児の存在により家族の絆を強めた。」とする回答が多く、母親に対して78%、父親に対して68%のきょうだいが肯定的な評価をした。しかしながら、72.7%の母親が、障害児のことで手一杯で十分に手が掛けれない時期があったと回答し、きょうだい育児との両立に対する配慮の必要性を示唆した結果であった。
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Research Products
(2 results)